ちょっと怖いけれど、ヒネリのあるストーリーが魅力的なおススメ映画このところ連休続きもあって、結構映画を見ています。集中力が途切れるので、1日1本が限界ではありますが。チャンネルザッピングでたまたま見かけてついつい見てしまった、という突然の出会いもあり、なかなか嬉しい発見が続いています。いずれも、ちょっと変わった「心理的な恐怖」を感じさせる家族映画です。
途中から見たものの、面白くて最後まで見てしまった作品が2つありました。いずれも心理的ホラー作品です。まずは『アザーズ』。クラシカル映画のような格調高い雰囲気と独特の不気味さに目を奪われました。
使用人も雇っているような、お金持ちと思われる美貌の母親グレース。幼い娘、息子と共に住む豪邸の中に、たびたび”誰か他の人間の気配”を感じる、という超常現象に悩まされています。一家は、見えない敵(?)にどんどん追い詰められていき、グレースはなんとしても実家を守ろうと必死に戦っています。
ヒロインの母親を演じる美貌の女優がニコール・キッドマン。現代的な女優さんのイメージしかなかったのですが、往年のグレース・ケリーを彷彿とさせる美しさにびっくり。
そしてこの映画、後半にいくにしたがって不気味さが高まっていくのですが、その不気味さが『ねじの回転』とか、古きあの時代の空気を再現していて、心理的にグッとくるんですね。そしてラストの種明かしでは、「おお、そうだったのか〜」と納得させられるどんでん返しぶり。
もう一度、この作品初めからじっくり見返したくなります。イマドキっぽくない顔立ちの子役達のおびえ方がまた尚のこと、怖いですけど。
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【秘められた村で起こる謎の事件『ヴィレッジ』】
大ヒット作『シックス・センス』のシャマラン監督の2004年作『ヴィレッジ』。場所も時代背景もはっきりとは分からないものの、登場人物がまるで「大草原の小さな家」を思わせる服装であることから、かなり昔の時代と想像させる、とある”小さな村”が舞台。
自給自足で暮らす農民達とそのファミリーで小さな部落を構成しているのですが、村を囲む森には謎の化け物が住んでいるとい言い伝えがあり、そこに住む者は全員、隔絶した世界の中で怯えて暮らしています。ある不幸な事件をきっかけに、瀕死の恋人を救おうと、怪物の棲む不気味な森を超えて”町”へ薬をもらいに出る一人の盲目の女性アイヴィー。
彼女の命がけの冒険がきっかけで、その村の隠された本当の姿が浮かび上がってきて、こちらもある種どんでん返しの面白さがありました。作品自体は、”外に飛び出した”シックスセンス(笑)なイメージ。ジャケット写真にもあるカーキ色のフードを被ったアイヴィーを演じた女優さんの印象が強烈ですが、なかなか魅力的でした。
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【実話をもとにしたサバイバル津波映画『インポッシブル』】
この映画は、2004年にスマトラ島で起こった巨大津波を題材にしたもので、予告を見てかなり興味を持ったものです。制作時期は、2012年ですが、日本公開は2013年。東日本大震災の影響もまだ遠くない昨今ですので、正直言って見ないほうがいい方も多数おられると思います。
それほどにこの映画は、津波のリアルな再現に努めた分、”圧倒的な恐ろしさ”があります。言い換えると、見ているだけでとてつもない痛さを感じさせる映画です。ものすごい波の勢いに海中で翻弄されて、全身傷だらけになってしまう主人公をナオミ・ワッツが演じています。
見ながら「痛い、痛い」とつぶやいてしまうのですが、それでもこの映画は、ただのパニック映画とは一線を画し、真摯に映画化した姿勢が見てとれるので、最後まで目を離せませんでした。物語は、オーストラリアの家族が、バカンスに訪れたスマトラ島で津波に襲われ、母親と長男、父親と二男・三男が離れ離れになってしまいます。そこでの数日間の、文字通り”死闘”を過ごす家族たち。
あまりにもえげつないほど甚大な災害の中で、生き残ろうと必死の人間たちのドラマがあります。絶望的な状況の下、必死に自分を奮い立たせて、重傷を負った母親を守ろうとする長男ルーカス(トム・ホランド)*1の健気さも見どころです。日本では、ストレートすぎてこういう映画はなかなか作れないかもしれませんね。客観的に淡々と描くか、逆に妙にお涙頂戴にしてしまうかも・・・。
でも、怖いし痛いけど、やっぱり見ておいて良かったかな、と考えた映画になりました。津波の再現映像は衝撃的ですが、逆にこのくらいの怖さを見て体感したほうが、防災に役立つかもしれません。
余談ですが、私もスマトラ地震の起こる数年前にプーケットに旅行に出かけていて、あのビーチや海岸沿いのホテルが壊滅的な破壊を受けた、ということに心を痛めただけに、ちょっとだけワープするものがありました。
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*1:撮影当時、14歳くらいかしら?