BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

不思議なアンニュイ感 フランシス・ベルニエ

久しぶりにヒットです

フランシス・ベルニエ


ジャケット写真を見た時、その幼い表情と小動物のような特徴のある顔立ちが印象的だった、フランシス・ベルニエ(Francis Bernier)。このテの顔には、要注意・・・幼すぎてたどたどしい発音の幼児を売りにしたようなキッズCDの可能性も有だから。


と、博打気分で購入したアルバムでしたが、いざ聴いてみたら、予想を裏切るなかなかの歌いっぷりに惚れました(笑)。子供離れした歌唱力の少年歌手は、広い世界にゃ結構おりますが、こういう子供らしからぬアンニュイな歌い方は珍しい。


「何ゆえキミは、その若さで倦怠してるの?」と思わず問うてしまいたくなるような歌いまわしが続くのです。力みなぞ微塵も感じさせず、(いくつかの映像で見かけた)どこか心こにあらずのような無表情な顔で歌っているのが目に浮かびます。ところがどっこい、余計な感情はそっちのけでも、フランシスの歌が無味乾燥なわけではないのです。


けだるさの中に漂う、なんとも言えない説得力。子供らしからぬマイナーコードのフレンチ・ポップス(?)が耳に心地良く、久しぶりのヒットだなあ、と惚れ惚れしちゃいました。シャンソン歌手の渋いオジサマ声とのデュエットなんかもあって、プロデューサーの感性の鋭さに脱帽。

【プロフィール未詳なれど】


フランシス・ベルニエのプロフィールを調べましたが、あまりめぼしいネタはありませんでした。フランス系カナダ人。'97年9月5日生で、三男坊。4歳を過ぎた頃から父親が息子の歌の才能に気付き(→ありがちですね)、7歳でコンテストに参加。TVのコンテストでお茶の間の人気を得ていったようです。


また「Sous Le Vent」という番組?で同じくフランス系カナダ人のセリーヌ・ディオンと共演した後、一層注目を浴びたとか。最初は、クリスマス・ミニアルバムを6人の子供達*1とレコーディング。昨年10歳の時に、初のオリジナル・アルバム「Prince d'azur」をリリースして今日に至る・・・というところ。


あと2枚くらいは、変声前にリリースできるのではないか、と期待してやみません。あのアンニュイ感をそのままに、ポップシンガーになるかシャンソン歌手になるか、ちょっとその成長も楽しみです。



Prince D'azur

Prince D'azur

最初から最後まで独特の世界観を感じさせるアルバムです。なんとなく'70年代ぽい寂寥感が漂ってて、エラく好みです(笑)。iTunesでも配信されていました。

*1:200人の中から選ばれた、とか。