ハーフビターな歌声はいかが? 幻の人気歌手の素顔
世界中に少年歌手は星の数ほど居りますが、世界的な大成功をおさめた歌手はそう沢山はいないと思います。'60年代後半、ヨーロッパに現れたハインチェ(Heintje)については、さすがに全盛期を知らず、だいぶ経ってからその名を知った伝説の少年歌手でした。
「その歌声は、一体どんなだろう?」と長い間想像してすっかり諦めていた頃、ふと石丸電気の店先で復刻盤のLPを見つけました。ジャケットの写真では、惜しげもないドアップに、印象的なエクボが光ってました。まさに「大魚を釣り上げてしまった気分」でしばし呆然としたものです。
家に帰り、勇んで聴いてみました。ところが・・・このアクの強い顔立ちから推察するにナルホド、と思われるハスキーなアルト声。ちょっとしゃがれたような大人びた声が辺りに朗々と響きわたり、
なんだかやっかましいなーぁ、この子
と、始めの期待は急降下。歌唱力で聞かせるというよりもパワーで押すタイプなのか、あっさりしてるのにやけにクドイ感じで、3曲も聴くと「ご馳走様!」となってしまいました。そんな散々な出会い(汗)でしたが、最近は彼の少年時代のCDがかなり復刻されており、たまに検索したりふとした瞬間に思い出すなど、やはり個性的な歌手には違いない存在です。
改めてハインチェの歌声を流して聴いてみると、苦手だったその低音ボイスがなかなかにじんわりとまとわりついて、「あれ、結構イケルかも?」という瞬間がありました。これを機会にハインチェに目覚めるか?うーむ。。。デビューしたての頃くらいの幼い声なら、そのアンバランスさがなんとも魅力かも、と思ったりして。
【パーソナルデータについて】
有名なわりにハインチェについての詳細って全然知らないものだわ(汗)、と思いネットで調べてみました。
パーソナルデータ
- 本名 HEIN SIMONDS (Hendrik Nikolaus Simons)
- 1955年8月12日 オランダ Bleijerheideに生まれる
- 9歳頃から歌の才能を開花させ、ロベルティーノの曲を歌って周囲を驚かせる。
- 1966年11歳の時にオランダ・アムステルダムでレコーディング「MAMA」でデビュー
- 1975年にドイツ 1978年にオランダで活躍
- 4年間で40枚のゴールドディスクを獲得
- 1968年−1971年まで6本の主演映画が公開された。日本では「みどりの賛歌」等。
- 青年期も歌っていたが、90年代から活動を再開させた。(今じゃオジサン)
なんとハインチェは、オランダ人でした!ずっとドイツ人だと思っていたので、衝撃の事実に驚きました。ドイツ語というのは、硬い響きなので英語や仏語などに比べると、ポップスを聴いていてもかなり異質な雰囲気が漂いますが、ハインチェの場合もそれは顕著です。まさに「文科省お墨付き」とでもいうような健全かつ豪胆なムード、一言で言うと色気に欠ける・・・。
そして今もなおドイツ語圏の少年歌手の場合、”ハインチェの亡霊”(→もちろん、本人はご存命です)が邪魔して、どうも低音ボイスで朗々と歌う少年が多い気がしているのですが、やっぱり40年の時を越えてハインチェの影響が生きている証拠なのでしょうか。。。
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