BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

ボーイズ・エア・クワイア(2) バロウズ兄弟の黄金期

コナーのテレビ出演から

BLUE BIRD

先日、書棚の片付けをしていたら'04年のボーイズ・エア・クワイア来日公演のパンフレットが出てきました。


その中には、コナー・バロウズの『少年のレクイエム』収録秘話というものがあり、レコーディングの終わりの頃に変声を迎え、最高音が出なくなってしまっていたことなどが分かりました。*1そう考えるとやはり貴重な録音であったんですね。曲が物足りない・・・などと書いてしまいましたがちょっと反省。


そのコナー、日本でのコンサート活動は叶いませんでしたが(つくづく残念無念!)アルバムの宣伝活動もあって'97年頃に来日し、テレビ出演をしています。『ニュースJAPAN』の'YOL'と『JUST』です。どちらの番組でも「ピエ・イエズ」をスタジオで歌いました。歌の合間に流れたインタビューでは、これが14歳?と驚くほどの大人びた表情で話しておりました。


 歌う上で一番大切なことは自分が歌いたいと願うこと・・・僕がこうして歌えるのは心から歌いたいと願い、それを楽しんでいるからです。(声が変わっても)これまで得た経験は消えませんし、これからも歌い続ける為に学ぶべきことは沢山あります。


時期的には丁度、ダイアナ妃が衝撃の事故死をした直後のことでした。『JUST』では、特集を組み”ダイアナへ捧げる鎮魂歌”として放送されたこともあるのでしょうが、コナーは、ダイアナ妃への死を痛んでコメント*2しており、とても印象に残りました。

【弟エドワードの活躍】


コナーの跡を継ぐような形で弟エドワード・バロウズ(Edward Burrowes)がボーイズ・エア・クワイアのソリストとして活躍し、3枚目のアルバムが作られました。CDジャケットを見た瞬間、飛び上がるほど驚きました(画像参照)。きたのじゅんこさんのイラストを思わせる天使のようなエドワードのジャケットです。この’メルヘン’しまくりなデザインは、やはり日本人にしかできないでしょう(笑)。


ボーイズエアの記念すべき初の日本公演は、'99年8月30日東京オペラシティで、エドワードがメインソリスト、その後3番目のソリストとなるアンドリューバロウズ家の3男坊パトリックもメンバーに参加しており、とても贅沢なコンサートでした。


エドワードは、私にとって一番思い出深いソリストです。冷静で完成度の高いソプラノを持つ、優秀な兄コナーに比べて、彼の声はもう少し素朴で人間的、地に足が着いたような柔らかさのあるソプラノを持っておりました。顔立ちは似てるのにどこか親しみ深い雰囲気も漂っていましたね。


また雑誌『AERA』の表紙もドアップで飾ったのですが(これにもかなりビックリしました)、そこでの幼い頃のエピソードがとても面白かったです。”お兄ちゃん子”が高じて「僕も名前をコナーにする!」と言ったこと。さらに「兄は僕にとっての憧れです。兄としても歌い手としても尊敬している。」という言葉を聞いただけで「なんていい子なの〜!」とときめいてしまいましたし(笑)。


出来の良い兄を持つ弟の苦労はやはり見えないところであったようで、レコーディングでうまく歌えなくて泣き出したこともあったそうです。そうやって幼い頃から兄弟で切磋琢磨してきたんだろうなあ・・・と思ったものです。

(パート3へつづく)


blue bird

blue bird

このアルバムはちょっと変わった選曲ですね。
エドワードの優しい歌声が印象的です。


<VICTOR TWIN BEST>ボーイ・ソプラノ名曲選

ボーイ・ソプラノ名曲選

2014年日本でのベスト盤。同じくビクターから発売された、アレッド・ジョーンズとのカップリングCDです。


boysvoice-2.hatenablog.com
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*1:コナー自身も15歳で完全に変声した、という話をしておりました。

*2:「彼女の死は世界的損失だと思います。タブロイド誌にも追い掛け回されて本当に可哀相でしたが、それだけ彼女にはいろんな面で沢山の人を惹き付ける強いものがあったのだと思います。」