BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

過去に見た少年合唱団コンサートの思い出

チケット整理で思い出す数々

昨日、断捨離の一環でコンサートチケットの整理をしていました。ずっと捨てずに残していた紙のチケットを写真付きを除き、一気に断捨離しようと思い切ったのですが、そのついでにExcelに情報をデータベース化していったら面白くなり・・・。


今まで分かっていたようで分かってなかった過去のコンサート動向が炙り出されてきたので、一応メモしておきます。(日本国内で見たコンサートに限定)

種類 内容 備考
来日時期 1983年~2016年 33年間
コンサート鑑賞 130回超 8割が東京
団体数 約40  
ソロ マックス・E・ツェンチッチ、ウィリアム W. スピアマンIV  
グループ ボーイズエアクワイア、リベラ、クワイアボーイズ  
オペラ アポロとヒュアキントス 1993テルツ
  バスティアンとバスティアンヌ 1996ウィーン
オペレッタ デニス氏夫妻 1983ウィーン
  ヘンゼルとグレーテル 1988ウィーンの森
  カリフの鵞鳥 1989,1992,1998ウィーン
  村の床屋 1992,1994,1996ウィーン
  ウィーンの人々の生活 1994ウィーン
その他 Aled Jones(語り) 1988ウィーンの森

オペレッタは忘れている作品も有、後ほど修正加筆予定。


中でも思い出深いのは、1995年以前の来日コンサートです。自分自身がボーイソプラノに大ハマりしていた頃でCDも良く聴いていましたし、今に比べると感性も鋭かったし、色々な欲求も強かった頃(笑)でした。


それから東京へ来日する少年合唱団がかなり多かったのも事実。夏休みは近郊へ遠征(旅行も兼ねて)とクリスマスコンサートも多数企画されており、かなり集中して楽しむことができました。


地方出身の自分としては、夢のようなひとときでしたね。何せ幼い頃に少女漫画の世界でずっと夢見た少年達のコンサートをこんなにも堪能できるなんて、なんて素晴らしいのか!と。


1995年以前が楽しかったのは、出待ちなどで少年達の姿をカメラに収めるというミーハー根性(黒歴史か(笑))があったり、更には無料動画でいつでも見られる今と違ってTV放映・DVD発売も少なく、万年飢餓状態であったのも大きかったです。


自分よりはるかに少年合唱に造詣が深いペンパルに教えを受けたり、その後親友となった何人もの友人が出来たり、人的交流もさかんでした。その中には、「女って怖い(汗)」と思わされる痛い出来事も多少ありましたが。


自分サイドの事情は色々ありますが、バブルとファンの多かった当時の日本にはお金があり招致も沢山してくれた、という経済事情は大きかったと思います。根強い人気のウィーン少年合唱団は別として、昨今は招致が韓国・台湾・中国などに移ってしまってるようです。


その結果、生の少年達の声に触れる機会が激減し、CD発売も減ってなかなかファンが育たないと同時にファン層の高齢化という問題も見えてきました。「過去の栄光よ、もう一度」は難しいだろうな、と失望することもままあります。


単純比較で恐縮ですが、ウィーン少年合唱団を筆頭に実力派や個性派の合唱団・ソリストが大量にいた麗しき時代でもありました。現代は、少年達を集めるのも大変な合唱団もあると聞いてますし。


一方、有名少年合唱団に比べて比較的無名で東欧などの少年合唱団は、移動もバスではなく電車や歩きだったり、食事もあまり満足とはいえないようでその格差にも愕然としてものです。

忘れられない少年合唱団の思い出

さてコンサートの思い出に戻って、今回はブログで扱いの多かったウィーン少年合唱団を除いて記述してみようと思います。(だいぶ以前の記憶なので間違いはお許しを)


1990年、1993年「アポロとヒュアキントス」、2013年に来日したテルツ少年合唱団。1986年の初来日は行けずに涙を飲んだのですが、その後の公演は無理やり時間を作ってでも行きました。


今なお熱烈なファンを持つテルツ少年合唱団ですが、いつ来日しても素晴らしいハーモニーは健在。少年らしい発声と迫力の歌声は鳥肌もので圧巻そのもの。1993年のオペラ「アポロとヒュアキントス」の生演奏を見ることが出来たのは宝です。


2013年も勿論素晴らしかったのですが、10種類くらい輸入盤CDを持ってきてくれてそれが飛ぶように売れていたこと、男性ファンがかなりいたことなど、別な意味で驚きもありました。


※テルツ少年合唱団の思い出は過去の記事にもありますので、今回はサラッと書かかせてもらいました。


自分的に忘れられないのは、1992年アウグスブルク大聖堂聖歌隊、1993年聖フローリアン少年合唱団、1994年モナコ・カテドラル少年合唱団の来日ですね。夏休みで遠征した記憶もあり、今なお強烈な思い出が残っています。


アウグスは、1990年渡独の際にたまたま立ち寄ったアウグスブルクで少年達のコンサートを聴き感銘を受けていたので来日を楽しみにしていました。煌めくようなハーモニーだけではなく、安定感と深みのあるボーイアルトが強烈な思い出。


そして真っ赤なベストに美少年揃い(笑)、という目にも麗しい合唱団でした。指揮のカムラー氏は、客席で騒ぐ子供がいるとキッと鋭い視線を投げるような若干の神経質さと厳しさもありつつ、実力派を育てている、という感じがビンビンしたものです。


この頃のアウグスの録音も素晴らしいソリストがいっぱい出ていて、今なお活躍してるのが嬉しいです。聖フローリアン少年合唱団もこの時、優れたボーイアルトソリストグレゴール(Gregor Bauernschmiedt)がいて、とても感動した思い出があります。


もともと1980年ウィーン少年合唱団を率いていた指揮者が育てただけあり、制服を含めウィーン少年合唱団にちょっと似てるし、選曲も重複が多いので好きになる要素が満載の合唱団。


ウィーン少年合唱団より柔らかさがありますが、ハーモニーも清純です。最近、ALOISなど実力派ソリストの録音が増えてるのも、培った実力が花開いてる感じが強くしています。


1994年のモナコ・カテドラル少年合唱団は、可愛くて元気もあってとにかく楽しいコンサートが魅力でした。めっきり見る機会が減ってしまったオペレッタも公開してくれて何度見ても見飽きませんでした。


選曲も良く、完成度というよりトータルバランスで大好きな合唱団でした。2016年再来日で見に行った時は、ものすごい声量とソロの実力に愕然としましたね。世代交代か同じ合唱団でもイメージがガラッと変わった印象でした。


パリ木の十字架少年合唱団は、いつでも実力は安定していますが、初めて見た1989年が最も記憶に残っています。ソリストアントワヌの苦しそうな表情でありながらも伸びやかな歌声が忘れられません。


日本の有志ファンで企画して実現したマックス・E・ツェンチッチウィーン少年合唱団卒団後、ソプラニスタの頃)のソロコンサートやボーイソプラノユニットとして短期間活動したボーイズ・エア・クワイアも少年合唱の歴史的にも大きな意味があると思いました。


現在も世界中で活動中のリベラ。2005年の初来日では、他では見ることのない美しいライティングや隊列に凝ったステージングにも魅了されました。白いローブ姿の少年達はまさに天使のようで、うっとり見入ってしまいました。


後に「彼方の光」でトップソリストとなった、マイケル・ホーンキャッスル(Michael Horncastle)が小さい団員として歌っていたのですが当時1番気に入ってました。


2000年代に入ってくるとそれまでは一部地域にしか来日公演がなかったイギリス系の有名聖歌隊が来日が増えてきました。ただ宗教曲メインのプログラムで一般人には少し敷居が高かったかもしれません。


美しいハーモニーだなあ、と思ったものの目を瞑って聞くとあまり違いが分からず、CD買ってもあまり面白くない(苦笑)ということでなかなか難しさも感じたものです。


圧倒的に面白かったのはドラケンスバーグ少年合唱団、1人1人がエンターテイナーでマイクを持つと圧倒的な声量で歌いまくる。ちょっとミュージカルみたいなコンサートで毎回大盛り上がりでした。


1990年聖トーマス教会合唱団「クリスマス・オラトリオ」も最高オブ最高でした。いつもは「マタイ受難曲」が定番のこの大合唱団ですが、「クリスマス・オラトリオ」は大好きな曲で、とにかく明るく楽しいので客席で踊り出したいくらいノリノリでした。


聖トーマスと双子的存在(ライバル)のドレスデン十字架合唱団と共に、同じバッハ作曲なら「マタイ」や「ヨハネ」みたいな重厚な曲ばかりでなく、もっと「クリスマス・オラトリオ」や「カンタータ」など明るく楽しい曲をやってくれたらいいのに、と思ってしまいます。


2000年の特別コンサートも聖トーマスのソリストの実力が感じられて素晴らしかったですね。知った気でいても実は知らない魅力を新たに感じられるプログラムをどんどん出して欲しいものです。


モーツァルト時代のコスチュームで歌ったウィーン・モーツァルト少年合唱団(その後解散)、ウィーン・シューベルト少年合唱団、ウィーンの森少年合唱団と「ウィーン」と名の付く少年合唱団も多数来日しました。


ウィーン少年合唱団の人気を当て込んで、という部分もあると思いますが、庶民的で楽しくて好感度の多い合唱団が多かったですね。珍しいCDも手に入りましたし。


1988年初来日から、何回か間隔を空けて来日したレーゲンスブルク大聖堂聖歌隊。その中でも1991年と1994年は、飛びぬけてソリストが素晴らしく印象に残っています。


一時は、ウィーン少年合唱団やパリ木の十字架少年合唱団と並んで、世界三大少年合唱団と言われただけに実力派なのは分かりますが、CDも生演奏も合唱の方は綺麗すぎて若干眠くなる(笑)という困った現象があります。


他にもリガ・カテドラル少年合唱団、ボニ・プエリなど、印象的なコンサートはあります。全てを記憶できる脳があったらどんなにかいいことでしょう。


来日はわずかで、憧れ続けて未だに見ることのできないモンセラート修道院聖歌隊エスラニア少年聖歌隊)は一度生を聴いてみたいです。それも、あの有名なモンセラート修道院に登って見て見たい、と願っていますが、夢のまた夢ですね。


コロナ禍で来日コンサートどころか、演奏活動自体厳しく、存続の危機にある合唱団も多いと思います。なんとか多難な時代を乗り越えて、また日本へ美しい歌声を届けてもらいたいものです。


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