BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

スコットランド出身のボーイソプラノ MORAY WEST

sugiee2014-05-25

ここ最近、あまり遊んでなかったので、すっかりお久しぶりになってしまいました。また、トレブル関連CDが続き(もちろん合間に他のジャンルもあれこれ購入)、ブログへの記載が追いつかなかったのもありましたが、これからちょっとずつアップしていければ、と。


そんな折、ボーイソプラノに関しては、私よりも情報通の友人、Yちゃんからのおススメで購入したのがモーレイ・ウェスト(MORAY WEST)の「Scotland Boy」。実は、だいぶ前から何度か買おうとしていたのですが、野生の鹿が見つめる雄大なジャケットを見ると「これってヒーリングミュージックじゃないの?」と渋ってしまっていた・・・のも事実。


ようやくCDを入手して聴き始めてみると、最初は「随分、フワフワした声のトレブルだなあ。大丈夫か?」と一抹の不安が過りました。そして、それが3曲目の『夜の女王のアリア(by 魔笛)』より見事に転換。未だかつて、これほどやすやすとこの難曲を歌った少年がいたでしょうか!


どんなボーイソプラノも、己の渾身の力と「聴け!」と言わんばかりのテクニックを駆使して見せつける(いや聴かせつけるか)見せ場全開のこの曲を、気の抜けるほどアッサリと牧歌的な自然さで、歌いこなすモーレイ少年。それでいて音の的確さ、通りの良いコロラトゥーラはお見事、の一言。ちょっと物足りなく感じてしまうくらい力みがない。


「MUSIC FOR A WHILE」や「HEAR YE ISRAEL」みたいな曲は、彼の声の儚さと相まってなかなかの魅力。そして彼の歌は、ポップス系の歌になるとまた輝きを増します。「BELIEVE」など、心に染み入る優しさが素敵です。世界的なヒット曲で、ご多分にもれず、私も大好きな「YOU RAISE ME UP」がまた絶品。最近、トレブルや少年歌手のアルバムに定番の曲となっていますが、この曲は本当に色褪せない魅力があります。


一度見たら忘れられない強烈なジャケット(笑)のせいか、どの曲も大自然の中で歌われているかのような錯覚を覚えて、ヒーリング効果が抜群でした。気負わず気持ち良く聴けるアルバムです。こういうトレブルソロ集もなかなかオツなものですね。


まだ個人的な情報については、よく分からないのですが、音楽一家スコットランド国立少年合唱団とスコットランド王立交響楽団付属ジュニアコーラスで訓練を積み、輝かしい経歴もあるそうですね。この辺は、才能あるトレブルソリストには、よくあることなのでプロフィールを見てもらうこととして。


私が驚いたのは、39万枚の売上を記録した「Angelis」に11歳で参加していた、のくだり。「えっ、この子ってあのAngelisのメンバーだったの?!」と、過去の記事*1を確認してみるとまさしく、CDジャケットでひときわキリリとした少年ぽい顔立ちで中央を占めていたのがモーレイと分かりました。全然印象が違うのでビックリ。


同じソリストのCDが何枚も発売されることはあっても、POPS系のグループ活動からソロというのはなんかちょっと不思議です。よくある一発屋と思いきや(失礼)、Angelisは結構売れていたのですね。Angelisは、全員が少年メンバーだったら、もうちょっと”萌える”存在になったと思いますが、思わぬ置き土産を残してくれて、なんかホッコリしましたね。

アルバム紹介:Scotdisc :: Online 24/7 store


Scotland Boy

Scotland Boy

全体的に選曲がいいアルバムだな、と思います。クラシックとポップスが入り混じっていて飽きのこない曲揃え。但し、ジャケットで買い逃す人がいてもおかしくない(笑)。「夜の女王のアリア」がまるでフォークソング(笑)のように楽々歌われています。


Angelis

Angelis

迫力ありすぎのジャケット。正面がモーレイ君なんですね。


boysvoice-2.hatenablog.com

*1:2006年ですからちょっとアルバム収録と発売に少しタイムラグがあるんですね。