久しぶりに心洗われるボーイソプラノと出会いました。その名は、ジャック・トッピング(Jack Topping)君。現在、12歳となっているそうですが、ボーイソプラノのメッカであるイギリス、リバプール出身とのこと。ソロ・アルバムの名前は「Wonderful World」。
まだあまり詳しいバイオグラフィーは見つけられてませんが、リバプール出身で聖歌隊のコリスター*1として活動しているようです。アルバムの中にビートルズの曲が多数入っているのも、リバプールにゆかりのあるグループだから、ということのようです。
11歳の頃に名門デッカレーベルと最年少契約した歌手、という説明もありました。イギリスでは本当に沢山のトレブルが生まれ、マイナーレーベルからは数えきれないほどのソリストが発売されていますが、メジャーレーベルからは珍しいのかもしれませんね。”セーブ・ザ・チルドレン”の活動も行っているそうで、アフリカ人子供との写真が多かったのは、そのためのようです。
質問 | 回答 |
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生年月日 | 2002年 |
出身国 | イギリス |
出身地 | リバプール |
所属 | リバプール・メトロポリタン聖歌隊 |
活動 | Saving The Chirdren(南アフリカ) |
家族構成 | 父、母、姉(妹?) |
(ウィキペディア他より)
実は年末から予約していたのですが、何やら入荷が遅れたようで数か月延ばされて、やっと届いたのは先月のこと。いつものように、ラフな気持ちでCDを聞き始めたところ、すっごい気持ち良い声が流れてきました。「ん、これは良いかもしれない。」その気持ちは、最後の曲が終わるまで続きました。
正統派で優しいボーイソプラノ、しかし声量と安定感がプラスされて、いかにも伝統的なイギリス系トレブルにも関わらず、飽きがこないのです。選曲も、ボーイソプラノのアルバムに選ばれがちなありがちな有名曲が揃っていながらも、ありきたりなアレンジではなく斬新ですし、コーラスもうるさくない程度に抑えてジャックの声をちゃんと生かしています。
安定感は、昔大好きだったアレッド・ジョーンズを思わせますが、もっと素朴で流れるようでした。こういってはなんですが、「上手く歌おう」とかそういう雑念が感じれないので、ただあるがままに素直に歌っているからの良さ、それが自然と感じられて疲れないのです。一旦、ジャックの曲を流し始めると、14曲があっという間で「もう終わったの?」と驚きます。
そのため、聴き足りないと2回3回と繰り返し聴いてしまいます。こういうアルバム、意外とないんですよね。私はビートルズの曲があまり好きではないのですが、冒頭の「Let It Be」からしてちょっとビートルズっぽくない。もちろん、有名なメロディやフレーズはそのままですが、ちゃんとジャックのものになっているので安心して聴いていられます。
それでいて「Ave Maria」「Pie Jesu」「Miserere Mei」などの宗教曲寄りの曲も、違和感なく新鮮に聴けます。私の想像にすぎないのですが、アレンジャーが余程気合を入れて(笑)過去に発売されたいくつものトレブルアルバムと差別化してるんじゃないでしょうか。あるいは、リベラやボーイズ・エア・クワイアなど、ポップ系で癒し系のサウンド路線を目指したのか。
アフリカの子供達へのチャリティ「Saving The Chirdren」活動というと、数年前にDeclanという少年歌手もやっていたな、と思い出します。日本で同じような活動を全面に出すと、ちょっとお涙頂戴的で湿っぽく、時に胡散臭いノリすら出てきますが、そこは(チャリティ慣れしている?)ヨーロッパ圏ですから、全くアルバムの出来とは関係ない爽やかさで楽しめます。
本当になんのひっかかりもなく、何年も好きで聴き続けるであろう素敵なアルバムでした。
- アーティスト: Jack Topping
- 出版社/メーカー: Decca UK
- 発売日: 2013/12/10
- メディア: CD
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- アーティスト: James Eager
- 出版社/メーカー: Sp&S
- メディア: CD
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