BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

3/26 イートンカレッジ聖歌隊 in 宮城学院礼拝堂

sugiee2013-03-27

まさに滑り込みセーフ!で駆けつけたのが、今回のイートンカレッジ聖歌隊のチャリティーコンサートです。最初に新聞の地域版で記事を見つけた時は、東日本大震災のチャリティーコンサートで石巻を訪問するというものでした。イギリスの聖歌隊が東北に来る、というのは、滅多にないチャンスでちょっと驚きました。


イートンカレッジといえば、2003年に日比谷音楽堂のコンサートに行って以来となります。確かその公演の様子は、聖歌隊のホームステイなどのドキュメンタリーと含めてNHKで放送された記憶があります。クイーンズイングリッシュを話す団員達のエリートな雰囲気(笑)がテレビからも伺えました。その時は、ボーイズ・エア・クワイアのクリス・リース君も来日していたのですが、今となると記憶も薄まって・・・。


イートンカレッジは、その後も何度かコンスタントに来日公演を行っているようなのですが、どちらかというと日本の学校を訪問したり、チャリティー演奏だったりで、非公式に近い感じ(あまり宣伝をしない)というか、コンサートホールでの演奏は少ないようです。調べてみて2006年、2010年にも来日してることを初めて知りました。


パンフレットにもありましたが13歳から入学可ということで、ケンブリッジキングスカレッジやオックスフォード系聖歌隊の上級学校にあたる感じなのかな?イギリスのパブリックスクールの仕組みがいまいち不明なので、どういう感じなのか分かりませんが、イートンカレッジ聖歌隊のあの実力を思えば、すでに幼い頃から声楽を叩き込まれている感があります。


石巻のコンサートはホテルが会場で演歌歌手とも一緒ということで迷いましたが、2日後となる昨日の礼拝堂コンサートを選びました。舞台となった宮城学院は、県内でも古い歴史を持つミッションスクール。30年ほど前に移転して建てられた礼拝堂には、パイプオルガン*1を有しています。


大きめのステンドグラスや石造りの礼拝堂は飾り気がないシンプルさでした。また、早めに着いたので、礼拝堂近くをたむろっておりましたが、少年達の歌声が礼拝堂や2階の控室からも響いてきて(鼻歌のようなもの)コンサートとは違う長閑さがありました。時折、廊下や階段を数名の燕尾姿の団員が足早に通り過ぎるのですが、なんだかそこだけイギリスの大学街のようで(赤レンガに生える!)、異次元に彷徨いこんだ気がしました。



※上の写真は、礼拝堂前の外回廊を移動する聖歌隊メンバーです。背中越しなので、分かりにくいですが黒の燕尾服がカッコイイ。左は、礼拝堂内のコンサート終了後の模様で、中央がアレキサンダー君。ピンボケなので雰囲気だけ分かれば・・・と載せます。

【圧巻!魅惑の歌声】


そして肝心のコンサートですが、これがまた素晴らしかった。赤のキャソックに着替えての登場も麗しかったのですが、第一声からそのハーモニーの力強さに驚きました。こんなに実力のある聖歌隊だったんですね。今さらながら、感服でした。男声のバスやテナーに交じって、アルト(カウンターテナー)が印象的で、そして人数は少ないはずのソプラノがキラキラ。


とりわけ正面に立ち、キリリとした顔立ちや立ち居振る舞いからソリストだと分かるアレキサンダー・バンウェル(Alexander Banwell)君の声にやられました。なかなか紅顔の美少年で、色白の透明な肌にやや切れ長の瞳が可愛かったです。今がピークのボーイソプラノ、まさに「ヘッドコリスター」という感じです。合唱でもソロでも、目立ちまくりでした。


そして、一人おいて右隣の小柄なデイビット・ヒックス(David Hicks)君のソプラノもかなりビンビン響いて気になりましたね。半年、1年後は彼がトップかなあ・・・なんて想像して聴いてました。アレキサンダー君は、ググってみたら、2012年のケンブリッジキングスカレッジのCDに名前があったので、この有名聖歌隊からイートン校へ移った可能性もありそうです。あの落着きぶりを見ると、かなりの経験者という感じでした。


英国や欧州古来の宗教曲には疎いので、多分なんどか耳にしてるはずですが、あまり曲の見分けはつきませんでした。どれもこれも合唱は素晴らしい、しか言えないトホホな感想。その中でも中盤に歌われた、ペルゴレージの「スターバト・マーテル」は、もう涙ものでした。半分以上のメンバーが抜けて、10名ちょっとの小編成になって歌われたので、曲の繊細な美しさが余すところなく体感できてものすごく感動しました。


またIncognitos(インコグニト:ポピュラーソングなどを歌う5〜6人のグループ)のコーナーがあり、選抜メンバーは、キャソックを脱ぎ、黒ジャケットとズボンにデザイン違いのオシャレなベストに白の蝶ネクタイを着こんで、「虹の彼方へ」などポップソングを3曲披露してくれました。青年メンバーだけかと思ったら、アレキサンダー君もソプラノパートでバリバリ活躍。お兄様達のソロもさすがに上手でした。


日本の歌は、「荒城の月」「赤とんぼ」「故郷」などオーソドックスでしたが、発音もアレンジもかなりの出来栄えでした。アンコールは、「ダニーボーイ」、ノリノリで楽しそうに歌いまくってました。残念だったのは、CDの販売がなかったこと。学園内のチャリティーコンサートということで、商業色を外していたのかもしれませんが、なかなか日本では手に入りにくいイートンカレッジ聖歌隊なので、CDがあれば買いたかったです。


イギリスの聖歌隊の来日コンサートは、2000年を超えたあたりから増えてきたような気がします。ドイツ語系とはまた違った味わいがあり、確かな実力を持っているので、また来て欲しいものです。震災がきっかけかもしれませんが、もっと東北にも来てくれるといいなあ・・・。

◆参考◆
・イートンカレッジ公式サイト:Home

*1:この当時は、パイプオルガン建設ブームだった気がします。