福ちゃん、待望のソロデビュー！！ - BOY’S VOICE　新・永遠の少年たち

期待通りの名歌唱

鈴木福

「マルマルモリモリ」の頃から、秘かに待ち望んだのは、当代きっての人気子役の鈴木福君のソロデビューでした。芦田愛菜ちゃんに遅れること１年、福ちゃんのソロシングルが今月発売されました。

もともと「マルモリ」の時から、愛菜ちゃんよりも驚嘆していたのは、福ちゃんのほうでした。もちろん少年の声には、チト拘りがある自分、という理由もありますが、（歌手としては）全くの素人さんとは思えない福ちゃんの歌の上手さとセンスに驚いたからです。

とても自然体で歌ってるのに、音程も表現もシッカリしている、これはこの歳の少年にしては、珍しいこと。女の子よりもどちらかといとシャイな男子、小学校でも直立不動で無表情で歌う少年が多かった記憶がありますし、歌よりもスポーツで声を張り上げる、というのが大半じゃないか、と。話に聞くと鈴木家は、なかなかの音楽一家で、福ちゃん自身も琴を演奏する姿をＴＶで見たことがあります。

家庭環境は大きいものの、歌を聞くと、演技同様、福ちゃんの持ち味である「より自然体でありながら卓抜した表現力」が伝わってきます。そして、声自体の良さと安定感。ソロ曲である「イヤイヤＹＯ〜」より、カップリングの「Boom Boom!! ロックンロール」の上手さにビックリしました。この手の曲は、意外と難しいのです。

その昔、横浜銀蠅一家のユタカという少年が「今日もいのこりＲ＆Ｒ」というシングルを発売していてそれが思い浮かびましたが、年齢的にも福ちゃんと同じくらいだったんじゃないかな。子供にポップロック、という組み合わせは珍しいものではありませんが子供が歌いこなせているか、というと疑問が残る。福ちゃんは、楽しそうなだけでなくちゃんとモノにしていて歌ってることに感心。

話を戻して「イヤイヤＹＯ〜」。一度聴いただけですごく耳に残ります。そして、福ちゃんのお母さんよりちょっと年代古めの方なら、すぐに気付くはず。この曲、皆川オサムの「黒ネコのタンゴ」にソックリ。たぶん、１００も承知で”モチーフ”と使用したんでしょうけど、サビなんてパクリか(笑)、と思ったほどです。ヒットするかどうかはともかく、王道路線ですね。

またＰＶが可愛くて、もう狙いまくり、とはいえ本当に萌えまくりです。愛菜ちゃんの「ステキな日曜日〜Gyu Gyu グッデイ!〜」のＰＶも、どうだ、これでもかと言わんばかりの可愛さ爆発状態でしたが、福ちゃんも全然負けてはいないです。腰振りダンスから始まって、フラメンコ風のポーズを決めたり。リズム感の良さとか、身の軽さとか、福ちゃんの身体能力の高さにまた感心。

昨年が愛菜ちゃんだとしたら、今年１年は福ちゃんが大ブレイク。愛菜ちゃんの「ビューティフルレイン」を見ていたら、より”デキる子役”の道を邁進するようになって、同世代の少女子役と差が縮まってきた感があります。それに比べて、福ちゃんは少年子役のほぼ独壇場ですし、シッカリお仕事しているようでいて、まだまだ天然＆無邪気が愛されている。できれば、まだもう少しこの状態で育っていって欲しい。

そして、ひきもきらないＴＶドラマや映画にと出演作は目白押しなので、なかなか大変だと思いますが、まだまだ福ちゃんのミラクルボイスをＣＤに残して欲しいです。福ちゃんの良さは、天才歌手的な作り上げられた魅力ではなく、屈託の無さと味わい深さの魅力なんです。少年歌手としても、これだけ魅力のある男の子は久しぶりなんですからねえ。

【先輩・加藤清史郎君も頑張ってます】

「天地人」と子供店長で一世を風靡した加藤清史郎君。福ちゃんより、３年ほど先輩になるでしょうか。まだ幼さを残し、11歳とは思えないほど小柄ですが、テレビ出演なのでの受け答えは、かなりシッカリしてきましたね。彼も子役人気でシングルデビューを果たしていますが、正直言って「かつおぶしだよ人生は」という最初の曲は、彼の人気に乗っかった企画モノのレベルでした。

ややハスキーな声質を持ってる清史郎君、決して歌のセンスは悪くないんですが、「さすがにこの曲はちょっとなあ･･･」と購入をためらってしまいました。それから久しぶりに「GON GON GON〜小さな王様」をリリース。あの大作ミュージカル「レ・ミゼラブル」出演をきっかけに、歌のレッスンやボイストレーニングもしただけの甲斐あって飛躍的に上手くなっています。

童謡やテーマソングを歌う、児童合唱団のソリストみたいな完成度、というか。鼻に抜けた伸びのある声が気持ち良く響いてきて、今のこの歌唱で、もっとじっくり何曲も聴いてみたいです。清史郎君のフルアルバムが欲しいなあ〜。人気子役からミュージカル子役へ、というパターンもちょっと珍しいのですが、芸歴を深めることができそうですね。