BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

去る側、残る側、どちらも傷を残す

新曲「OVER」の予約CDが届いて間もなく、未成年喫煙騒動に絡んで、森本龍太郎君の無期限活動停止処分が発表されました。初めて聞いた時は、ショックというより「またか」と思ってしまったのが正直なところです。NEWSの時もさんざん不祥事が続いて、事務所の管理能力とかメンバー本人の意識に疑問が生じたところです。まさか、Hey Say Jumpにもその災禍が及んでこようとは・・・歴史は繰り返すのか。


問題の記事の写真を見ましたが、あどけなさの残る16歳の龍太郎君そのままの姿がそこにありました。しかし、悲しいかな充分に大人の私は、「あーあ、バカやっちゃったな。」と冷静でした。驚きがなかったのは、なにも龍太郎君が「性根の腐った子」だから、というのではなく、なんとなく今回のことを引き起こしても全くありえない話ではない、と想像できるような危なっかしさを感じていたから。(やはり小学生でアイドルデビューって無理が大きいのかも。)


Hey Say Jumpについては、ジャニーズの少年アイドルグループとしてデビューの頃から変わらず好きですし、無理のないペースでコンサートにも通ったり、それなりに馴染みがあります。ただ、歳が近いとはいえ10名の大所帯、しかもデビュー当時、最年少は12歳の小学生(龍太郎)でした。ホープとなる少年達は、当初からある程度決まっており、それなら多くても7名くらいでスタートすればいいのでは・・・と思わなくもない感じでした。


比較しては良くありませんが、NEWSもデビュー時、寄せ集め的に9名もいました。他のグループが比較的長い期間、グループとして苦労を重ね、メンバー間の連携を増してからデビューしたのと違い、ポッと集められたメンバーというのは、最初に苦労しなかった分、自分の立ち位置が分からなくなるメンバーもいるのではないか、と思ってしまうのです。


もちろん、注目度の高いメンバーはそのまま突っ走ることができます。立ち止まってる余裕がないほどに忙しいでしょう。Hey Say Jumpなら、NYCと掛け持ちしている山田涼介君、知念侑李君なんかが飛びぬけてる存在です。上級生メンバーでは、君、八乙女君、高木君あたりも活躍中。本来なら龍太郎君は、最年少メンバーとして、もっと注目を浴びていても良い気がしたのですが、微妙な理由がもう一つ。

【これからHey Say Jumpに必要なこと】


ジュニア時代、兄弟コンビとしてよく扱われた弟慎太郎君の存在。私自身もJUMPの結成当初から、実は、素質やスター性のどれも慎太郎君のほうが高いと感じ、「弟を加入させたほうが良かったのではないかな?」と思っていました。ただ、そうなると他のメンバーとの年齢差が開きますし、龍太郎君にも何か光るものがあるからこそ、メンバーに含めたのだろう、とその思いにフタをしていました。


龍太郎君が末っ子キャラを存分に生かすようなタフなタイプの少年だったら、良かったのかもしれない。しかし、彼には他のメンバーに若干遠慮している感じがあって、歳を重ね、身長が伸びていく変化の激しい時期、目立たない存在になっていったような・・・。そこに何らかの満たされない思いがあったんではないかな、と思わなくもない。最終的には個人の問題で、喫煙というのは単に”悪い習慣”とか”大人ぶりたい年頃”の軽い気持ちが起こさせたものかもしれません。


でも、もし彼が秘かに周りにもSOSのシグナルを出していたのだったら、気に留めてちゃんと怒ってあげるのが、年上メンバーの責任だったのではないか、と事件後、まず思いました。その意味で、Hey Say Jumpは、まだまだ表面的に仲良しこよしの”擬似的仲間”という感覚でまわっていて、ぶつかりあって喧嘩するような仲ではなかったのかもしれませんね。もう少し、歳を重ねていれば今よりずっと距離を縮めて分かり合えていっただろうと思うと残念です。


ちょっとした過ち*1であっても、その代償はあまりにも大きいです。何より龍太郎君の人生に汚点となって残ってしまうわけで、グループ復帰は絶望的でしょう。「待ってる」という若いファンには、信じる者こそ救われる、と言ってあげたいのはやまやまですが、正直、そんなに甘い世界じゃないし、代わりはいくらでもいる、というのが芸能界という残酷な世界ですから。


辞めたジャニーズジュニアも、かなり事件簿があったりして、ちょっと前までアイドルの後ろで笑顔を振りまいていた少年達の転落の激しさを感じたりするこの頃です。ただし、不祥事や素行の問題でクビを切られた少年達も何人かは、事務所を変えて舞台などで地道に活動しております。龍太郎君が今後、どんな道を選ぼうと、まだまだ若いのでやり直しはいくらでもできます。芸能界に拘らず、ちゃんと考えて悩んで、前を向いていって欲しいものです。


最初に引き合いに出したNEWSですが、どんどんメンバーが減って、残されたメンバーは「俺達、これから一体どうなるんだろう。」と涙を流し、初めて真剣に話し合ったとメンバーの何人かがTVで話していたのを見ました。メンバーが逆境をバネに次々と大学進学をしていったり、彼らなりに悩みもがき苦しみながらも試練を乗り切ってきたのだと、今ではちょっと尊敬しています。


Hey Say Jumpにとっては、初めての試練。ショックを受けているファンの気持ちを考えることも大事ですが、まずはメンバー間でもっと本音をぶつけ合って、この苦難を乗り切れるように一つにまとまっていくようにしないと。龍太郎君を救えなかった、という重い十字架を背負うだろうと思いますが、事実に目を背けないで欲しい。龍太郎君も、失ったものの大きさを初めて知って苦むでしょうが、まだまだ長い人生が待っています。そこで、惨めな人生を送らないよう、自らを厳しく律して欲しいと思います。


厳しいかもしれませんが、一応ささやかな私からのエールです。


OVER(初回限定盤1)(DVD付)

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今回の事件を受けて、売上げが伸びてるそうな・・・少々フクザツな気分ですね。それでも青空の下で踊る少年達は悲しいほど美しいです。

*1:人を騙したり傷つけたり、とか盗みをはたらいたとかいうわけではないので