BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

奇跡の歌声 ルネ・シマール復活なるか!

復刻盤リクエスト受付中

ルネ・シマール

ちょっと前にとあるファンの方から、SONYの「オーダーメイドファクトリー」というCD復刻盤化リクエスト専用サイトにルネ・シマール(Rene Simard カナダ出身 1961年2月28日生)が取り上げられた、というニュースをいただきました。私もこのサイトは、愛するクリッパー復刻リクエストの時に利用したので、要領は大体理解しておりました。


しかし、悲しいかな知名度の低いクリッパーに比べると、'70年代のある一定の世代を中心に「あのおかっぱ頭の歌の上手な、可愛い少年」という印象が強いであるだろうルネ・シマールのこと、こりゃあCD化は実現可能かも、と期待を持って一票を投じました。


2枚盤CDの中身は日本で発売された3枚のアルバムとクリスマスミニアルバムの組み合わせのようです。いずれも中古レコード店で見つけて持っております。他にもオリジナル・コピー盤を含め、ルネの少年時代のアルバムはほとんど手に入れておりますが、それらに比べても日本盤の選曲はキョーレツで、キワモノ好き(笑)には楽しめる内容です。


当時は、外国人歌手が”舶来モノ”としてもてはやされた(というか、ときとして珍獣扱い?)時代。アルバムでも、日本語を無理やり歌わせるのがお約束?だったらしく、ルネもいきなりフランス語訛りのたどたどしい日本語でこっぱずかしいくらいストレートな愛の歌を歌わせられたりもするのですが、シャレにならない歌唱力でグイグイ引っ張られてしまいます。

【知る人ぞ知る天才的少年歌手です】


まさにルネは、'70年代を代表する少年歌手の一人でした。とはいえ、私はリアルタイムで見た記憶があるような無いような・・・(汗)。おぼろげな記憶で知っていた”幻の”少年歌手でした。テレビで放送された1974年の世界歌謡祭*1でグランプリを受賞し、涙ながらに歌っている姿をうっすら覚えていて、雑誌などで後追いで知っていったのです。


ルネ・シマールは、現在も母国カナダでエンターテイナーとして歌手を始め、さまざまな活動を行っているようです。「あの人はいま」でも数回紹介されていますから、”おじさんルネ”にテレビで再会することは、それなりにありそうです。ただ、私は現在のルネには全く興味がありません。


それどころか、あまりルーツなどにも興味がなくて、ルネについてはその歌声を聴くだけで満足する稀有な存在の歌手だと思っています。それだけ、少年としてのルネの個性あふれる歌い方、甘さに流れない確かな歌唱力と表現力はズバ抜けてます。そばかすいっぱいの可愛い顔と愛らしいトレードマークのおかっぱ頭のおかげで、かえってアイドル的に騒がれていた(?)のは惜しいほど歌手としての魅力が高い。


子供時代の底知れない好奇心の高さとか、情熱の全てを捧げるほどのエネルギーは、やはりリアルタイム世代しか持ち得ないものかもしれません。私にとっては、気付いた時にはもはや”永遠なる歌声”しか残っていない存在でした。少し残念ではありますが、悲しいと思ったことは、ほとんどありません。自分が子供の頃にも同じくらい夢中になった少年歌手が多数いたので。


全てではないけれど、そこそこ満足ができるだけの音源もあるため、きっとさほど飢えを覚えることもなかったのかもしれません。それでも、もしこの日本盤が発売されたら、絶対買ってまた繰り返し聴くでしょう。そしてルネを知らない現代の少年歌手好きには、一度は薦めるでしょうね。それだけの価値はあります。まあちょっと上手い程度の少年歌手のCDを100枚聴くなら、ルネ・シマールを1枚聴きなさい!(ナゼか命令調(笑))という感じでしょうか。


子供でもないのに、今なお馬鹿みたいに少年の歌声に魅了されてしまってる私でありますが、「その人生に後悔なし」と思わせられたくらい強烈なのがルネの歌声でした。あ、但し誤解のないように言わせていただきますが、ルネが世界一、で誰よりも素晴らしい、と信じてるわけではないのではないのです。好きな人ならとり憑かれる歌声だと思いますが、ルネはルネ・シマール特有の表現として好きなわけで、同じくらい衝撃的を受けた少年歌手も少なからずおりますし・・・。


一方、よく考える疑問があります。同じ曲でも同じフランス語でも、どうしてルネのように歌える少年はいないのかな?やっぱりこういう風に思ってしまうことこそが、特別な歌手の証なんでしょうね。

【リクエスト企画の盲点】


それにしても、世の中には、お金を払うのも惜しいような質の悪い音楽が溢れているのに、「古くさい」「知ってる人が少ない」というだけで、良質の音楽が日陰の身でレコード会社の倉庫の中にホコリを被って眠ってるんですよね。そもそもSONYのこのオーダーメイドファクトリーという制度が画期的、とはあまり思わないんです。結局は、どれほど良い音楽でも、「認知されてなければそれまでよ」というこのリクエスト大作戦は、もどかしい部分もあります。


サイトのみならずCD店などでも、「ナゼこれが復刻されて、○○は復刻されないの?」という嘆きはいつもあります。最近では、実際に販売元から購入者のニーズを聞きたい、とリクエストを募る場合もありますが、たとえリクエストを投じたくても、それを元ファンが知る機会ははるかに少ない。懐メロなんて、そういうものです。期間限定であるならば、まずは企画を浸透させるだけの広報期間を1年、2年単位で設けて欲しいです。


CDというのが難しいなら最初は配信で様子を見るというのも手だと思います。一つきっかけが掴めれば、意外と次々とアルバムの復活に結びつくケースもあります。結局は、昔を懐かしく覚えていても「復刻企画を知らないでいた。」ってことが大半でしょうから。


その昔、フィンガー5のCDが全く発売されず、思い余ってレコード会社に手紙を書いたことがありました。するとわずか数ヶ月のうちにベスト盤が発売されたことがありました。1枚発売された後は、あれよあれよ、という間に全アルバム復活までこぎつけて。「やっぱあの時書いた手紙の威力かな〜」なんて、勝手に自己満足していたりするのですが、当時あれほど社会現象になっていた伝説のグループアイドルでさえ、アンコール発売は至難のワザ。


ならば、ほんの1年やそこら話題になった少年歌手なんて、相当厳しいわけです。単純にレコード会社の社員だって、恐らく若手がほとんどで、こういう歌手がいたこと自体を知ってる人いないわけですからね。よほど有力な著名人が取り上げるとか、でも無い限りは、宝の山も見捨てられたまま・・・。本気で復刻盤で稼ぎたいなら、ギリギリの採算を見込めるだけの消極的な発想から、あらゆる可能性を掘り下げていったら良いのに、と思わなくもないです。


「レトロ音楽館」とかサイトを作って、アルバムジャケットをクリックするだけで、合法的にダウンロードできるようになったら、どれだけ良いか。多少の音質には拘らず、そういう試みがあれば、ちょっとした副業程度の収益は得られそうですけど。著作権の取り締まりばかりうるさくてあれこれ制限つけるくらいなら、もっと庶民に蓄財を解放しろよ!と思ったりもするのです。(オッと、ついつい息巻いてしまったわ。)


私は清き1票−−−というかCD1枚分の仮予約購入−−−しか投じられませんが、他力本願にすがって(笑)、発売されるのを待ちたいと思います。発売が決まれば、日本よりも海外でセンセーショナル?な話題を集めるかも*2。世界中の少年歌手マニアを侮ってはいけない!どんだけ知名度高い少年歌手か、世界から輸入されることだってありうるのです。ガラパゴス日本も、いい加減目覚めて欲しいものですね。


予約受付期限は、2011年6月22日(→ 期限延長になっています)まで。果たして”奇跡”は起こるでしょうか?


◆'12.3.11追記:数日前、ルネ・シマールのアルバム復刻が決定しました!しばらく、動きがなかったのですが、急激に得票が集まり、1年を待たずに復刻決定となりました。とても嬉しい成果でした。


boysvoice-2.hatenablog.com

*1:今は消滅してしまってるはずですが各国から選ばれた歌手がエントリーされて金賞を競い合う大会でした。

*2:母国カナダで発売された復刻盤全集も現在入手困難だと聴きましたし。