BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

本格派すぎて売れなかった少年バンド〜BAD 4 GOOD

bad 4 good

12歳の天才ギタリスト、トーマス

先日、家で片づけ作業を行っていて、懐かしいCDがいっぱい出てきました。その中でも一際目立ったのが『BAD 4 GOOD/レフュジー』というCD。


'92年に発売され、日本盤で持っています。当時、X JAPANに大ハマリしていた頃だったので、珍しくアメリカのロックバンドに手を出してしまいました。とはいえ、この私がこのアルバムを買ったにはワケが有ります。BAD 4 GOODとは、平均年齢が14歳*1の4人組キッズバンドだったからです。しかもお目当ては、12歳のギタリスト、トーマス・マクロクリン(Thomas McRocklin)君でした。


胸まで垂らしたハードロック系の長髪に不似合いな女の子のように綺麗な顔の少年の宣伝写真を見て、音楽性も分からず購入。ところが1曲目「ナインティーン」を聴いて、「あ、しまった!失敗だ。」とがっくり。そこに聴こえた声は、ハードロック特有のしゃがれ声でけたたましく歌うボーカリストダニー・クックシー)の声。全然シュミじゃない。。。(涙)


確かにトーマス君は、ギター弾き。いくら可愛くても音が可愛いわけではないのです(苦笑)。しかもバンドメンバー皆が生え抜き、トーマス君のために集められただけあって、本格的に上手い(のでしょう)、演奏だけ聴いてこれが少年達だけのバンドだとは到底思えません。ジャケット裏カバーにある上半身裸の少年達の写真がかろうじて少年性をアピールしています。

メンバー:
 Vocal:ダニー・クックシー(Danny Cooksey) 16歳
 Guitar:トーマス・マクロクリン(Thomas McRocklin) 12歳
 Bass:ザック・ヤング (Zack Young) 14歳
 Drums:ブルークス・ワッカーマン(Brooks Wackerman) 15歳

【何故に売れなかった?】


でも、実はその「上手さ」がこのバンドがCDで1枚で消えていった理由かもしれません。もともとキッズバンドが売れる可能性は低めだと思います。私みたいな少年歌手マニア(?)には、オトナ顔負けの演奏、は期待しますが、オトナと変わらないバンドなんて求めちゃいないわけで(ってヒドイ理由だ!)。


やっぱりここは変声前のハイトーン・ボイスのボーカルなんか使って少年性をアピールするなり、トーマス君のソロで勝負するなり、で良かった気がするなあ。今も星の数ほど、キッズバンドは世界各地でデビューしています。たまにはCD購入してみたりもしますが、なんとなく子供達が背伸びして”ちょいワルに憧れて”いるような感じがして、あまり好きになれないことが多いです。


まあ、”オトナの望むようなピュアな姿”の少年ボーカリストも不自然っちゃー不自然なんですけど(笑)。ありきたりなイメージから一歩抜きん出るには相当の個性が必要なのか、単にプロデュース力か、それとも運かは分かりません。ただ、このアルバムがとりわけ気に入ったわけでもないけれども、何度か不思議と聴き返してしまうのは、無意識下に魅力を感じているのかもしれません。


YouTubeで彼らのPVを見つけて、「彼らもやっぱり子供だったんだなあ・・・」、なんて思うと今頃ちょっと面白さを感じてしまいます。トーマス君の可愛い声のインタビューやもっと小さいギターキッズ時代の演奏も出てきました。今や世界中のミュージシャン顔負けキッズの映像がアップされているので、もの珍しさはだいぶ少ないのですが、そういう少年達の先駆けだったのかもしれませんね。


MySpaceで現在のトーマス君のサイトを見つけました。29歳、イギリス在住。ギタリスト兼音楽プロデューサーでもあるようです。やはり音楽を生業としているんですね。



曲は、1番気に入った「NINETEEN」。トーマスのギターソロがやはり見ごたえあります。おキレイな顔が長髪に隠れてしまってるのがやや残念。ベーシストのザック君も何気に歌が上手いですね。


ilovemusic.exblog.jp
バンドについて、時代背景などについても詳しく紹介されています。


Refugee

Refugee

ジャケットは、ロングヘアの男の子。


キッズ・ウィル・ロック・ユー(CCCD)

キッズ・ウィル・ロック・ユー(CCCD)

最近よく流している、子供達がクイーン、ローリング・ストーンズなどの有名ロック曲をカバーしたアルバムです。フランスで選ばれた男の子7人、女の子8人の普通の子供達が歌っています。これがなかなか素朴で上手い。しかも男の子のソロが意外に多く嬉しかったです。

*1:今になってそうだったのか!と驚きましたが。