先日、いつものようにネットニュースを見ていて一つの記事に衝撃を受けました。それは、「ブラッド・レンフロ 突然死」というタイトルのものでした。思わずブラッドよ、お前もか!という唸りが。。。
私は、彼の特別なファンというわけではないのですが、やはりこの悲報には驚きました。一時期でも注目され、出演作が続く子役というのは、どの少年も特別な魅力を持ってるので、普段さり気なく楽しんでいます。子役から人気俳優への転身は難しいにしても、その後の人生が充実していれば構わないのです。
しかし、ハリウッド子役の転落・突然死はあまりに悲しい。何十年も前から言い伝えのように囁かれていることが今になっても繰り返し起こるというのは、一体どういう因果があるのでしょうか。日本も最近ではヒトゴトではないけれども、ドラッグの入手が比較的容易いことや破格の成功がその後の人生を狂わせるのかもしれません。
もちろん役者としてのキャリアへの不安、仕事がなくなることへの不安、そして人気子役でなくなることの不安等に追い詰められて、気が付いたら・・・ということもあるのかもしれません。それらを克服して紆余曲折しながらも復活する俳優もいる中で、その分かれ道は一体どこにあるのでしょうか。
『アメリカン・ニュー・キッズ』というグラビア本を書棚から久々に出してきました。表紙は、ブラッド・レンフロ。巻頭特集になってるぐらいですから彼への期待や人気は当時かなり大きかったと思われます。本書で特集されている子役は、イライジャ・ウッド以外の子役のほとんどが下記の「事件簿」に含まれていてとても複雑な気分です。
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【有名子役の事件簿】
◆リバー・フェニックス(RIVER PHOENIX)
1970年8月23日〜1993年10月31日(享年23歳 薬物中毒死)
<代表作>
・「スタンド・バイ・ミー」'86年
・「マイプライベート・アイダホ」'91年
子役らしからぬ存在感とアウトローな雰囲気で、当時絶大な人気を誇りました。名作「スタンド・バイ・ミー」の変わらぬ作品力と逞しい中に見せるリバーの繊細さな悲しみの表現は脳裏に焼きついています。「マイ・プライベート〜」では、当時まだ今ほど有名でなかったキアヌ・リーブスとの共演も印象深いです。
子役から青年俳優へと世界中の期待を受けて成長していたリバー・フェニックスの死は、その後の子役達にも間接的に大きな影響を与えていると思います。「ポスト・リバー」の名を冠せられた少年子役達は、大きな重圧に苦しめられるのかもしれません。裏返せばそれほどに愛された才能ある俳優でした。
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◆ジョナサン・ブラディス(JONATHAN BRANDIS)
1976年4月13日〜2003年11月12日(享年27歳 自殺)
<代表作>
・「ネバーエンディング・ストーリー第2章」'90年
直接彼の作品を見たことはないのですが、「ネバー〜」の2代目バスチアン役として人気を得て、甚だしく輸入雑誌の表紙を飾っていた頃をリアルタイムで覚えています。米のティーンエイジャーには絶大な人気だったようですね。
印象的なそばかすとチャーミングな笑顔で典型的アメリカ少年のイメージ。但し、ひとたび笑顔が消えた時の厳しい表情は落差がありました。一説には仕事が減って悩んでいた、という話も聞きましたが、この若さで自殺というのは悲しすぎます。
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◆ブラッド・レンフロ(Bradley Barron Renfro)
1982年7月25日〜2008年1月15日(享年25歳 死因不明)
<代表作>
・「依頼人」'94年
・「マイ・フレンド・フォーエバー」'95年
・「スリーパーズ」'96年
生い立ちもどことなく恵まれてないようで、その翳を感じさせる少年でした。デビュー作を見た時から、子供ではない子役という印象を受けました。アメリカでは、少しアウトローのようなタイプが受けるようで、彼も一時期人気急上昇したようです。
出演作の中では、隣家に住むエイズにかかった華奢な少年(ジョゼフ・マゼロという名子役が演じました。)を庇い、友情を深める「マイ・フレンド・フォーエバー」が一番好きです。
「スリーパーズ」という作品では、少年刑務所で性的虐待を受ける少年の1人として物凄い存在感を感じさせていました。偽名で書かれているが内容は真実、と作者が語るだけあって、当時、少年保護の観点から論争があったようですね。
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◆2014.3.22追記:久しぶりにテレビ放映された本作を見て号泣の嵐でした。ブラッドの陰りある美少年ぶりにも目が釘付けでしたし、お互いに寂しさをかかえる少年達の心の触れ合いが素敵でした。当時から、エイズへの偏見がどれほどひどかったかも随所から感じられてきます。原題は「THE CURE」、治療法の意味でした。友情はもちろんですが、最後まで親友のエイズを完治させたい、と願う少年の強い思いがテーマだったのですね。
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◆コリー・フェルドマン(Corey Feldman)
1971年7月16日生 現36歳 麻薬中毒
<代表作>
・「グレムリン」'84年
・「スタンド・バイ・ミー」'86年
リバー・フェニックスと並び、個性派の子役として活躍していたのがコリー。アクの強い顔立ちと子供らしからぬムードで、難なく子役時代を突破すると思われましたが、その後麻薬中毒に陥り、なかなか思うように映画出演ができないようです。
◆ドリュー・バリモア(Drew Barrymore)
1975年2月22日生 現39歳 アルコール依存症・薬物中毒
<代表作>
・「ET」'82年
紅一点になりますが、以前、雑誌でドリュー・バリモアの手記の一部を読んだことが忘れられず、挙げました。芸能一家に育ち、7歳で世界的大ヒットとなった「ET」に出演。しかし、わずか9歳頃から様々な誘惑に絡め取られていきます。そんな幼い人気スターに面白半分で酒を出す大人達や、クラブなど顔パスだった、と語るドリューに驚嘆したものです。
今でもたまにスキャンダルで騒がれたりしていますが、それでも大女優としてキャリアを重ねていってる「子役の星」(笑)かもしれません。同じく子役から女優に脱皮したジュディ・フォスターは、一時期学業に専念してますから、あらゆる誘惑に負けず、そのまま順調に成長するのがいかに難しいか、を感じてしまいます。
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◆エドワード・ファーロング(Edward Furlong)
1977年8月2日生 現36歳 麻薬中毒
<代表作>
・「ターミネーター2」'91年
・「アメリカン・ハート」'92年
ストレートの黒髪と少し落ち窪んだ鋭い眼差しが強烈で、日本でも一大人気となったのがエドワード・ファーロング。彼も親との確執などで、私生活はあまり恵まれていなかったようですが、それがあの何でも見透かしてしまうような瞳を生んだのかもしれません。
日本では、黒の学生服に身をつつみ日清カップラーメンのCMに出演したり、と子役としては別格の人気がありました。何を隠そう、日本だけで発売された幻のCD『君を抱きしめて』を所有しております。彼の歌がまた前代未聞のヘタさで、「くれぐれも日本でCD発売したなんて言わないで」と言ったとか言わないとか・・・(笑)。
麻薬や問題行動で今でも、何度か騒ぎを起こしているようですが、それでも大人になった姿で(ちょっと暗い表情でコワイ)映画にはコンスタントに出演しています。
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◆マコーレ・カルキン(Macaulay Carson Culkin)
1980年8月26日生 現33歳 麻薬中毒
<代表作>
・「ホームアローン」'90年
・「マイガール」'91年
・「危険な遊び」'93年
期せずして大ヒットしてしまった「ホームアローン」で一躍人気者となった'90年代を代表する子役。トレードマークの金髪とどんぐりまなこの瞳に愛嬌のある笑顔、を武器?にしていました。その一方で、気味の悪い子供、なんかをやらせると妙にハマるのは、マコーレが隠し持つ陰の部分かな、などと推察してました。
マイケル・ジャクソンと親友だったり、早すぎる結婚・離婚などで話題には事欠かない少年でした。最近、見た写真だと子供の顔のまま大人になってしまってるので、ちょっと間延びして微妙な感じですが、弟キーランを始めとして「カルキン家の濃い血」は健在のようです。
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◆ハーレイ・ジョエル・オスメント(Haley Joel Osment)
1988年4月10日生 現25歳 飲酒運転と違法運転・薬物所持
<代表作>
・「シックスセンス」'99年
・「A.I」'01年
・「ウォルター少年と、夏の休日」'03年
世紀末に登場した名子役。『シックスセンス』では、見事な泣きの演技を始め、卓抜した演技力を見せ付けました。何よりも来日した時の学者風な落ち着きぶりと理知的な受け答えに度肝を抜かされた少年。この子は間違いなく、まっすぐ成長するだろう!という予想はあえなく打ち砕かれてしまいます。
インタビューでの受け答えが演技ではないとしたら、これだけ芯がシッカリしてる少年が転落してしまうハリウッドの魔力の方が空恐ろしいです。子役から青年への脱皮は想像以上の厳しさなんでしょうか。
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残念ながら亡くなってしまった俳優も居ますが、他の子役達の人生は半分も終わっていないので、不死鳥のように甦ることを期待したいと思います。
※現在年齢は、2014年3月22日現在です。あくまで騒がれた当時の問題行動を書いてるので、継続中ではありません。