BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

ウィーン少年合唱団来日組 エドアルト君の思い出

ウィーン少年合唱団団員との短い交流

※前回記事の続きです。

淡々としたミサが終わり、建物の外に出るとこれまた閑散とした雰囲気。テレビなどで家族が迎えにくる模様*1や観光客が溢れかえって撮影している光景などを思い描いていたのですが、

 シ〜ン。。。(汗)

全くひとけなし。それでもせっかくの機会なのでこれは是非団員を撮影するぞ!とミーハー心に突き動かされてしばし佇んでおりました。


そこへちょこちょこっと現れ出たるは、年少と思われる団員。制帽姿にカメラを向けるとニコっとなつっこいスマイルを浮べてくれました。カ・ワ・イ・イ〜っ!と密かに興奮状態。何せ少年達は合唱団の制服であるセーラー服を着ると5割増の魅力。透き通るような持ち前の白い肌が映えてえもいわれぬ存在感を見せます。(→すっかり制服に参ってしまってる)何枚か撮らせてもらった後でのその少年は、そこでしばらくウロウロとしてるので次々観光客に捕まって被写体になってました。

他にも2人組の少年達が何組か横切っていきましたが、立ち止まって写真を撮らせてくれてもあまり笑顔で応じてなく、むしろ「またか」とウンザリ気味の表情だったのがちょっと切なかったです。中には明らかに撮影拒否して足早に去っていく少年達もいました。彼等にしてみれば、こんなところで観光客サービス*2しているようりも一刻も早く親御さんに会いたい一心だったのでしょう。


見ていてかなりテンション下がりましたが、まあ仕方ないかな〜と諦め、しかしその場からは去り難い思いでそれからもちょっとの間居続けました。

【ベソかき少年の正体は!?】


居残る私の傍らで先程の可愛い少年がウロチョロしてました。スマイリー君だった彼も次第に表情がこわばって何か悲壮な面持ちに変わっていってます。他の観光客が「あの子、家族にまだ会えていないんじゃないの?」と話しているが聞えてきたのですが、まさにその通りだったようです。


かなり遅れて人気がなくなった広場に現れる綺麗でスラリとした女性。その姿を見つけると少年は初めて満面の笑みを浮べて走り寄っていきました。「ママに会えて良かったね」と心の中で呟きほのぼのとした気分でその場を離れました。


この少年こそが'92年に来日したアルト・ソリストエドアルト・オーデル(Eduard Ordelt)その人でした。来日公演で、あまりに堂々とした存在を見せ付けていた彼と、ママを待って泣きそうだった小さなスマイリー君が同一人物とはなかなか信じられず。しかし、あの当時から抜群の笑顔は健在でしたし、笑顔で記念撮影に応じる姿も思えば単に「人にチヤホヤされるのが楽しい」というタイプだったのか、と可笑しくなりました。


エドアルト君と言えば、初日のソロで「スタバート・マーテル」を歌ったのが思い出深いです。シューベルト・コアの中でもムードメーカー的な存在?で始終能天気なスマイルを浮べてましたが、初日のソロは緊張で出来はかなり悪く、歌い終わって沈鬱な面持ちに変わってました。変声期が間近だったからか、声の調子に安定感がないのが気になりましたが、それでもオペレッタでは本領発揮という感じで、主人公役を実に楽しそうに演じてました。


少年合唱団―天使の歌声 (エトワールブックス)

少年合唱団―天使の歌声 (エトワールブックス)

この表紙が、礼拝堂前ではないかな?世界中の少年合唱団を体系的に紹介している本です。写真もいっぱい載っていて少年合唱団入門篇という感じですね。


boysvoice-2.hatenablog.com

*1:寄宿生の団員は週末だけ自宅で過ごせるのです。

*2:観光客がうじゃうじゃいたら別な盛り上がりはあったかもしれません。