絵の中の透き通る瞳の少年達
夏に実家に帰省したとき、書棚を見ていてふと思い出したのが田口智子さんのイラスト画集『Opium(オピウム)』でした。この本を購入した当時から随分月日が経っていたので、今はどんな活動をしてるのかしら?と思い、AMAZONを検索してみると「ダレン・シャン」のイラストで活躍されていたようです。
最近流行の海外ファンタジーということで友人にもハマっている人がいたため、先に書名は聞いていたのですがファンタジー苦手人間(汗)なのでその時は聞き流しておりました。が、知って俄然興味が沸いてきました。但し、12巻のハードカバーは自宅のスペースを考えると躊躇してしまいます。。。
『Opium(オピウム)』を購入したのは、当時イラスト作家のきたのじゅんこさんが好きでその流れで、イラスト棚の新刊コーナーにあった田口さんの本を手に取ったのがきっかけです。本の中には少女漫画を2.5次元化したような綺麗で可愛い”少年”の絵が沢山ありました。
きたのさんや東逸子さんのようにファンタジーがかった雰囲気ではなく、どちらかというと映画の1シーンのような視覚的にリアル*1というか、個人的に親和性の高い(笑)絵柄でした。勝手ながら、なんとなく好きな世界が似てるような親近感を感じておりました。
彼女の描く少年達は、美少年と元気少年を足して2で割ったようなタイプで、美形だけれどもどこかで見たことがあるような感じの少年達です。笑顔、キツイ顔、ちょっと寂しそうな表情も母性本能をくすぐるような・・・。ただし、この時はまだ背景も肝心の少年達も描写がちょっと甘く、駆け出しの新人のようなイメージは否めませんでした。
絵本となった『イリス』でひさびさに田口さんのイラストを見た時は、昔よりも絵の表現がしっかりしたなあ、と(偉そうで申し訳ありません)思いました。”洋館”の中に飾られている1枚の少年の絵と、偶然入り込んだリスの物語で少年の絵がとても魅力的。この本ではリス君の方が断然主役なのですが(汗)、結末もふっと安らぐような味わいになってます。
またドドーンと魅力的な少年達を描いていって欲しいな、と活躍が楽しみでなりません。
- 作者: 田口智子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2003/06
- メディア: 大型本
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*1:確かにハリー・ポッターとかその辺にも近いかもしれませんね。