出逢いと別れは突然に・・・
つい最近、エンターテイメントニュースで、16歳で夭折したアイドル、高橋良明君の弟さん、高橋知秀さんがミュージシャンとして活躍してることを知りました。
2歳下の”弟”さんとはいえ、当然のことながらすっかり大人の男性でお兄さんの面影もあるようなないような・・・(汗)。良明君の衝撃の事故死から17年の歳月が流れているそうです。月日の経つのはなんて早いものでしょう。
私は当時、良明君のファン、というわけではありませんでしたがドラマ『うちの子にかぎって2』を何気なく見ていて、なかなか可愛い顔立ちの少年だなあ、という印象で良明君のことを覚えました。どこにでもいる普通の少年なのですが、子役っぽくない素朴さと時折キラっとした笑顔を見せてて、ドラマの終了後、一気に人気が出てきたのも納得、という感じでした。
その時は、アイドルから歌手デビューとトントン拍子に話が進むとは思いませんでしたが、すぐに主演ドラマも決まっていったのです。
【 人気アイドルとしてこれからの時に 】
ある日、最寄の書店で何気なく買い物をしていると、なんとなくいつもと雰囲気が違い、制服姿の若い女の子達が顔を上気させて集まってきました。「ちょっとしたキャンペーンでも開かれるのかな?」ということで何気なくうろついてみて高橋良明君の来店を知りました。もちろん根がミーハー(笑)な私は、「よし!」とすぐに参加を決めました。
彼のキャンペーンは創刊まもないアイドル雑誌『POTETO』の宣伝。良明君が初めて表紙を飾った号*1の雑誌が急遽並べられました。小さなテーブルを置いただけの簡素な設備。横に写真を引き伸ばしたポスターが貼ってあったと思います。あとは10数人程度の女の子達の列に並ぶだけ。
良明君は、2階からラフな白いパンツに袖なしのTシャツを着てフラッと現れ、無表情に私の横を通り過ぎていきました。何故か不思議なことにカメラを持っていた(←サスガ、私。笑)ので、その姿を撮影もして。少ないながらも女の子達の歓声が上がったので、店内のお客さん達は、「あの子だれ?」状態。
想像以上に細身で小柄、華奢とも言っていいほどの二の腕と完璧な少年体型(なぜかトキメク)で、親近感を抱くようなごく普通の少年なのに、「やっぱりキレイな子だなあー」と感心しました。顔もまだ細身でジャニーズにいてもおかしくないくらい整って見えました。
しかし、まだまだ駆け出しの新人で、表情は若干張り付き気味、営業スマイルはまだまだとても・・・といった趣き。ちょっと前までは本当に普通の少年だったのでしょうから、いきなり人気が出て戸惑ってもいたんじゃないかな、などその時は思いました。
それでもファン一人ひとりに丁寧にサインをした後、相手の目を見ながら両手で握手をしていました。自分の番の時は、あまり記憶がありませんが(汗)、サインをするときに視線が下にいき、ほんの一瞬ですが顔立ちが少女のように儚げだったのが強烈に焼きついてます。
仕事が終わるとまた、割合無表情で、アッサリ立ち去っていったので、「一体、サインの間、彼は何を考えていたのかな?」なんて思いました。それでもこの良明君遭遇事件は、とても記念になる出来事で、サイン入りのPOTETOを時折眺めては悦に入ってました。それから数ヵ月後、帰らぬ人になってしまうとはまさか思いもせず。。。
【 そして遺筆が残った 】
彼のように直接会った人が突然逝ってしまうとその出来事が信じられないまま、月日ばかり過ぎてしまいます。生きていることと死んでしまうことの垣根がどうにも理解し難いことに思えてしまうのです。しかし、ファンにとってはその瞬間から何かが”止まって”しまうのだろうということは分かります。
正直言って、追悼というイベントはどうにも好きになれない*2のですが、そんな特別なことをしなくてもやっぱり何か強烈なものが”残る”のは、同時代を生きた一瞬があったからなんでしょうね。
良明君がもし生きていたら今どんな青年になっていたんでしょう。
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