若干14歳・浪速の王子さま
今や全然ファンから足をあらってしまってますが、その昔Kinki kidsに大ハマリしていた時代がありました。それも、歌手デビューの遥か昔、彼等がまだ14歳の頃です。きっかけは、巷で話題になっていた(?)TVドラマ『人間失格』でした。
当時録画したビデオを久しぶりにチラッと見返したのですが、加勢大周氏がコーちゃん(堂本光一)に襲いかかるシーンのおぞましさにウギャーッと叫んでしまいました。10年以上前の作品でも、妙に色褪せないショッキングさがあります。
脚本家の野島伸司氏はセンセーショナルな話題を確信犯的に”狙って”書いていたと思いますが、どうも”あちらの世界”を想像だけ組み立てているようないかがわしさを感じて「なんかズレてるなあー」と感じてました。
もちろん、ドラマの主題となる堂本剛君演じる誠に対する学園内のイジメの描写はドラマとは割り切れないほどえげつなく、実は怒りすら覚えてました。当時、剛君のお母さんがこのドラマを(フィクションと分かっていても)「自分の息子があまりに痛ましくて見られなかった」と言ってた気持ちが分かります。
しかし、剛君自身は、ナイーブな演技でとてもよく演じきっていて、見てて感心するほどでした。一方、剛君の演じる誠の死後、タナボタ式(笑)に注目を集めてしまったのが留加役のコーちゃん。「ボクは誠を・・・愛していた!」と思いつめた暗い表情で語るその姿には、かなり衝撃が走りました。
演技力は今と比べものにならないほどのダイコン・・・(汗)、いえ素人に限りなく近い演技でしたが、彼の場合は隠れた”持ち味”が奇跡的に役とマッチして、本来の彼とは全く正反対の人物像が生き生きと浮き上がってきました。これぞ、マジック!また一視聴者として、余計な先入観を持たずに見たのが良かったのだと思います。
留加の登場シーンが終わると同時に、まるで取り付かれたように「コーちゃん、もっと見たい」病が起こってしまってさあ、大変。。。
もともとジャニーズ事務所の売り出し中アイドル*1のKinki Kidsは、それからTV出演も加速的に増えていきました。トーク番組やバラエティーにもあれよあれよと出演が増えていって、SMAPの弟分としておいしいポジションにもいましたし、それだけではなく二人の意欲や頑張りも見てて充分伝わってきたほどです。
【そしてただのファンに転落】
最初にナマのステージを見たのは、大阪厚生年金ホールの1stコンサートツアーでした。そう、気がつけばなんと遠征してしまってました(汗)。中学生の可愛い集団の後ろに付いていくのはかなり恥かしいものがありましたが、煩悩には勝てず・・・(笑)。確か1日2回公演という触れ込みだったのに、あまりにファンが殺到して無謀とも思える4回公演になっていたのでした。
同日に1回と3回の公演を見たのですが、剛君が「腰痛〜い。。。」と言いながら踊っていたのには思わず同情してしまって。「これってもしや児童虐○じゃないのかしら?」とか思ってしまうほど彼らの働きぶりは凄かったです。当時からバックのジャニーズJr.のファンの子も混じっていたのが驚きでした。メインではなくサブのファンなんて・・・と青天のヘキレキ状態。
若かりし頃の堂本コンビは、性格も個性も全く異なった二人をドッキングさせてその魅力を引き出していたものの、当人達は仕事と割り切るにはまだ幼く、見ててシンドそうだなあ、と思うこともたびたびありました。特に減肥茶を飲みながらダイエットに励み、かつ相棒の投げやりな言葉にも唇を噛み締めて耐えることの多かった剛君にはちょっと痛々しい記憶が残ってます。
TVで見るオトボケぶりとはにかみスマイルより、何故か無表情で歌う姿の方が印象的で、彼から受ける印象(ナイーブさ)が少し違うかな、と感じたり。しかし、それでも何故か始めからコーちゃんファンだった私。
お気に入りはNHK-BSの『アイドル・オン・ステージ』(『少年倶楽部』の前身)。トークもそこそこにダンスナンバーはたまらなく楽しかったです。少年隊もよく歌ってたビークルメドレーや、ユーロビートメドレー、たまに和モノやら大阪弁バリバリの歌で味付けもあり。最初は、お世辞にも上手いとは言えない・・・踊りでしたが、何気にターンやキメのポーズだけは綺麗なコーちゃん。
笑顔は少なめ、ひたすら怖いくらいクールな表情で、「やっぱりボクってセクスィー?」と画面で主張してるような(笑)踊りがなかなかイカシテました。
コンサートになるともっと「自己陶酔系」です。ライトを浴び、テカテカ・ピチピチの皮ズボンで小さな身体をカキカキいわせて踊ってると、そこはまさに”お子ちゃまセクシー”の醍醐味。
また、テレビに出るときの凡そカッコよいとは言えない、摩訶不思議な衣装も今思えば目に楽しかったですね。素敵〜とシビレるにはどうにも無理があったものの、それがまたなんとも言えない味わいというもので。
単独主演のドラマもどんどん増えていって追うのもなかなかに忙しい毎日でした。『家なき子2』の晴海役、『銀狼怪奇ファイル』、『若葉のころ』、『ぼくらの勇気未満都市』と、やはり好きな役はどれも”どこかカゲを持つ少年”でした。
一番気に入っていたのは、晴海役でしょうか。何気ない制服姿がお綺麗でした。そういえば、始発の電車に乗り、映画『家なき子』の舞台挨拶まで見に行ったことがありましたっけ。列に並んでいる間、安達祐美ちゃんファンの青年二人組(今でいう萌え系か?)とちょっと言葉を交わしたのですが、内心なんかコワイものを感じました。→お互い様・・・ですけど。
デビュー以後、もうすっかり大人になったコーちゃんですが、昔のビデオを見ると今でもちょっとトキメクので、やっぱり好きだったんだなあ(笑)、とつくづく思います。ああいう面白いタイプ(←外見と中身が全く異なってる)のアイドルがまた出てくると楽しいでしょうねえ。まあ、今更あんな深みにハマったらマズイ・・・という自制心もなくはないのですが(苦笑)。
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*1:想像以上のスピードで人気が出てしまっていたのは間違いないでしょうが。