誰もが知る傑作ドラマ
『北の国から』は、テレビドラマからスペシャルシリーズまで20年にわたりオンエアされた国民的ドラマでした。もうテーマソングが聞えてくるだけで泣けてくる、そんな名作です。
少年時代、名子役でならした純君(吉岡秀隆)と蛍ちゃん(中島朋子)については、もう語ることもないほど俳優として大成してると思いますが、リアルタイムで成長を追っていけたのがささやかな財産かもしれません。吉岡君と言えば、「遥かなる山の呼び声」という映画も好きでした。
これは「シェーン」の日本版とも言えるような作品で、高倉健さんと賠償千恵子さんというゴールデンコンビの作品。まだ、純君より一段と幼い頃の吉岡君ですが、当時から達者な子役ぶりで一目置いてました。
偶然ながら、高校の同級生が吉岡君の遠縁にあたるということで、「北の国から」のTVドラマシリーズオンエアの頃、季節の挨拶の葉書を見せてもらったのも懐かしい思い出です。
中島朋子ちゃんについては、映画「時計」の少女スケーターぶりが記憶に焼きついてます。映画のために特訓した、というフィギュアスケートでしたが、あまり上達しなかったようで(汗)映画の中でも挫折を感じる少女役だったと思います。二人共、子役を卒業してからも現在に至るまで、非常に地道に活躍されているのでその姿勢には感服しております。
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ドラマ自体の思い出は、断片的にたびたび思い出します。特にTVドラマシリーズのほうは、かなり記憶が鮮明で自分が感動したシーンはすぐに目の中に浮かんでくるほど。オマセな純君の語りに合わせて富良野の夏や冬の風景が実にリアルに思い出されます。このドラマは、個性的な役者や絶妙な挿入歌が見事で本当にどれが、と言えないくらい思い出深い名場面がいっぱいです。
草太にいちゃん(岩城滉一)や雪子おばさん(竹下景子)のエピソードも非常に印象深かったですし。不倫に疲れて富良野に戻ってきた雪子おばさんが、相手の男性(後に結婚)に手編みのマフラーを受け取ってもらいたい・・・しかし、受け取ってもらえない・・・時に流れる”恋人よ♪”(歌:五輪真弓)に涙したり、と凡そ子供が感動するシーンではなかった気もしますが(笑)。
「2002遺言」で草太にいちゃんがお亡くなりになった時には、同年代の友人と「草太にいちゃんが死んじゃったー!」と、まるで本当に身近な人の死でもあるかのような衝撃を語り合いました。
このドラマをきっかけにステップアップした役者も数多く居たと思いますが、意外な人も出演してました。「84夏」で、純君が苛める都会っ子の努役を演じた六浦誠君は、ビッグマンモスの最後のメンバーの一人でした。*1
またドラマとして1番好きだったのは、「87初恋」です。この時の横山めぐみちゃんの雪ん子のようなホッペが可愛かったです。まさかその後女優さんとしてこんなに息が長い活動をするとは思いもしないほどに素朴な娘さんでした。バックに流れる尾崎豊にもドキっとさせられました。吉岡君自身が彼の大ファンだったのもあったためですが、その後の深い因縁も考えると不思議な気がします。
「95秘密」のシュウ役の宮沢りえちゃんも忘れられません。特に、雪の露天風呂で五郎さん(田中邦衛)と混浴する時のりえちゃんの透き通るような肌と寂しげな微笑(まつげに乗る雪も!)がとにかく忘れられないのです。純が成長していくうちに、大人のズルさや悲しさをどんどん身につけていく、後期の作品群はなんだか胸に痛すぎてあまり振返りたくない気がします。
人間の泥臭さや情けなさなんかもリアルに描くドラマだったから、もっとずっと歳をとってから客観的に見返すことができるのではないかと思います。それでも毎回、目が腫れるほど大泣きしていたシリーズなので終わってしまったのはなんとも寂しいものです。
【 富良野の思い出 】
富良野には、随分前になりますが立ち寄ったことがあります。本当に飛び入りで「北の国からバスツアー」に参加しました。一番最初に五郎さんが建てた家は、別な場所に移されてミニ博物館状態になってました。丸太小屋は、「83冬」に純の不注意で燃えてしまう設定でしたが、これも無事保護されているそうです。
一番印象的だったのが、「石の家」でこれは収録の関係で近くの高台より見ただけだったのですが、森の奥深いところに赤い屋根が映えてとてもカッコ良く、風車も廻っていてそこだけ別世界のようで素敵でした。まさに五郎さんが住んでいる、という感じ。今でもあの場所にあってくれたらいいですね。。。
「95秘密」でシュウちゃんが純に秘密を語るシーンで使われた北時計という喫茶店は、泊まったホテルの近くにあったので、お茶を飲みに行きました。テレビと同じ落ち着いた空間で時がゆっくり流れていて感激しました。ここでは、オリジナルの便箋セットを売っていたので迷わず買いました。
本当にドラマが自分の過去と密接に結びついてるような不思議な作品で、こういうドラマにはもう二度と会えないかもしれません。
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*1:活動期間は本当に短かったですけれど