泥まみれで努力する姿の美しさ、「キャプテン」

魅力的・魅惑的・そして心躍る、漫画の世界

野球漫画といえば、ちばあきおさんの『キャプテン』も忘れられません。日本テレビ系の２時間アニメで見たのが最初にこの漫画を知ったきっかけでした。野球の実力は貧相な谷口君が突然、キャプテンに抜擢され、持ち前の真面目さと頑張りで墨谷中学野球部を盛り上げていきます。

部員達に認められないでいた谷口君が陰の特訓をしている姿こそがまさに、スポ根モノの醍醐味。分かっているけど、胸が熱くなってしまいます。

この漫画の面白いところは、キャプテン、にスポットを当てているので谷口君が卒業した後も、何人かの魅力的な後輩達がキャプテンになってそれぞれの個性でチームをひっぱっていくところです。

天才的な野球センスを持っている小柄でサル顔の五十嵐君（確か兄弟も同じ顔で出てきます。）なんかも、独特の味わいを持ってました。続編『プレイボール』では、再び高校へ入学した谷口君が出てきます。

ちばさんの場合は、とてもシンプルなイラストなのですが、不思議なパワーが溢れていて思わず引き込まれてしまいました。美少年ものや歴史ロマンと並んで野球漫画の血と汗と涙と泥の世界もまた別な意味で惹きつけられてます。

キャプテン 1 (集英社文庫(コミック版))

　絵柄はシンプルですが、泥と汗にまみれた少年達の息遣いが聞こえてきそうな作品です。

プレイボール 1 (集英社文庫―コミック版)