画像は、佐藤ラギ著書「ギニョル」です。ただ表紙に惹かれて購読したものの、読み終わってから、ちょっと気分が悪くなってしまいました。
裏町で拾った人形のように色白の少年、ギニョル。主人公の男は、彼を連れ帰り監禁してサディスティックな虐待をするうちに、次第にエスカレートして・・・
と、アイタタタ、という感じの話です。嗜虐的な方へお薦めです(→冗談です)。まあ、これは単なる前説で。
ただでさえ、私は無類の”少年贔屓”なのに、この上”人形好き”などと言ってしまったら怪しまれることこの上なしでしょう(苦笑)。子供の頃の私は、ぬいぐるみやリカちゃん人形などに目もくれず、むしろ超合金やロボットなどを愛好していたのですが、長じてから我が家は3代にわたる「人形好き」という恐るべき遺伝を実感しました。
確かに気がつけばわが家には雑多な人形(こけしや民芸品なども)があちこと飾ってあり、ちょっと不思議な空間になっています。さすがに1メートル大の日本人形が設置されたときはたんまげましたけど。更に'80年代に謎のヒットをとばした「2歳児人形」*1なるものまであったりして。
しかし、私が本当に人形に目覚めたのは9年前のことです。ザルツブルクの旧市街の細い路地をあちこち歩きまわっていたとき、まるで誰かに誘われるかのように、ある民芸品屋に入りこみました。その店の奥のスペースには、沢山のビスクドール*2が売り物として飾ってあったのです。日本とは全く趣きが異なり、子供用にしては大層整った美しい顔立ちの人形ばかり。ふと背中に感じる視線・・・
その先には民族衣装を着た愛らしい少年の人形がおりました。案の定、とても気に入り即購入。ウィーンでも親子で3体ほど購入して持ち帰りました。これらの人形が日本のものと大きく違うのは、非常にリアルな美しい顔立ちをしていて、お手頃価格なこと。子供向けというよりも、大人用のプレゼントではないか、と思うくらい洗練されてます。
衣装も凝ってるし、表情も多様で目をつぶってたり、口を開いていたり、一体どこを?と思うような方向を見ていたり、と面白い。中には「アタクシ、お高いのよ」と今にも話し出しそうなモード系衣装をまとった、こまっしゃくれた顔立ちの人形もあって印象に残ってます。
人形と言えば日本人がすぐ思い浮かべるアンティックドールなどは、私自身もどちらかというと怖〜い(汗)のであまり欲しいとは思いませんが、近年、人形作家さんの作る創作人形、球体関節人形やスーパードルフィなど隠れた”人形ブーム”が巻き起こってて、人形の展示会などを見に行く機会も増えてきました。
但し、いずれも相当高価な代物ですのでなかなか試しに買ってみる、とはいかないものです。人形を扱った写真集も数多く出ておりますが、私は気に入ったものだと本物を手元に置きたくなるので(→とはいえ持ってるものは多くありません)、写真ではなかなか満足できません。
そしてこんなところでも私のシュミは少年人形なのです。この世界、圧倒的に”女性(少女人形)上位”。長くて巻き毛の髪やヒラヒラのレース付人形がいっぱい飾ってありますが、「なぜに少年の人形は少ないのか!」と思わず嘆き、希少価値なこともあって余計に欲しくなってしまいます。
しかし、ザルツブルクの街角で出遭った人形のように必ずや、縁があれば人形のほうが私を招き呼んでくれるだろう(笑)、などと淡い期待を持っている昨今です。
◆◇ 参考HP ◇◆
三輪輝子(ミワドール):Miwadoll
日本のビスクドール第一人者。
天草四郎の人形でも有名です。
スーパードルフィ(SD)
VOLKS社発売のカストマイズドール。
顔立ちはまるでビジュアル系ロッカーのよう。
着せ替えのみならず、化粧や修正なども施せて
熱狂的なファンを持ちます。
www.superdollfie.net
佐伯祐子
実は、なかなかお気に入りの人形作家さんです。
寂しげな目に誘われたら、抱き締めてあげたくなります。
※残念ながら、公式サイト閉鎖されたようですね。
恋月姫
独特の艶っぽい瞳を持った少女人形を作り、
一度見たら忘れられない、超人気の作家さんです。
- 作者: 佐藤ラギ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/01
- メディア: 単行本
- 購入: 8人 クリック: 173回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
少女人形―人形作家による魅惑の少女特集号 (別冊Dolly*Dolly)
- 作者: グラフィック社編集部
- 出版社/メーカー: グラフィック社
- 発売日: 2004/10
- メディア: 大型本
- 購入: 1人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (6件) を見る