BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

'05年ウィーン少年合唱団来日公演 感想

ウィーン少年合唱団が帰ってきた! 少年達の渾身の演奏

4日(土)のAプロ*1を見てきました。久々の良い演奏に心も躍ったため(笑)、早めの感想を書く気になりました。正直言って、この10年間ほどはたまに優れたソリストが出ていたとしても、(私的に)失望することの方が多かったウィーン少年合唱団。すっかり”諦めて聴いてる・・・”という後ろ向きなファンでした。


そんな私でも今日のコンサートは、久しぶりにウィーン少年合唱団らしい、非常に良い演奏だと素直に認められました。ソプラノパートの少年達の良く揃った歌声と迫力はかなりのものでした。アルトパートは相変わらず、「ヘタ・・・(溜息)」なのが残念でしたが。あと一人二人歌えるソリストが入っていたら全然違っただろうに、と思うと少々残念でした。


ところで、気合が入っていたのは、もう一つ理由があります。この日の演奏は、NHKでのTV放送が決まりました。TVやビデオの収録は、当然のことながら非常に完成度の高い演奏が見られるチャンスでもあります。もっとも、緊張感が別な形で現れると惨憺たる出来栄えになることもあるので一概には言えませんが。*2

  7月20日 NHKハイビジョン放送
  8月1日 NHK−BS2放送 
   →8月8日 10:00からのクラシックアワーに変更


第1ソプラノのマニュエル君のソプラノ独唱は、渾身の歌声とでも表現したら良いでしょうか。どの曲でも顔を真っ赤にして猛烈な集中力で聞かせてくれました。「スタバート・マーテル」や「来れ汝ら芸術の子らよ」「シバの人々は来たる」という名曲中の名曲のソロも、豊かな声量と安定した音程でしっかりと歌い上げて堂々したソリストぶり。


そしてソプラノパートの少年達はどの子もとても良く声が出ていて、美しいハーモニーが素晴らしい、の一言でした。途中で、このコーアはとても表情が生き生きと歌う喜びに満ちている、ということに気付きました。これはきっと指揮者のラウルさんと団員達のコミュニケーションがかなり良好なのでしょう。


団員と指揮者の信頼関係のできているコーアは、やはりメリハリの効いた優れた演奏を聴かせてくれます。また、ご自身もウィーン少年合唱団の団員だったラウル氏なのでそのあたり、少年達の気持ちも掴みやすいのかもしれません。


'89年来日のペーター・マルシーク氏もやはり'60年代に来日した元団員でしたが、'89年組の磨きぬかれたハーモニーは忘れられません。やはり指揮者の力って大きいなー、と思います。そして、団員達自らが自分達で「良い歌を歌いたい」と目を輝かせて、1つにまとまってるときのパワーは本当にスゴイものだな、と思います。


そして、こんな演奏を聴かせてくれる頼もしい少年達がまだ居るのなら、ウィーン少年合唱団もまだまだ捨てたもんじゃないな(笑)、などと勝手に盛り上がっておりました。

  本当にファンって身勝手よね・・・(いや、私が)

*1:ウィーン少年合唱団のプログラムは大概A,Bの2種類が定例です。

*2:'92年組の時は、公演日初日に天皇陛下と美智子妃のご鑑賞があり、ただでさえ緊張している団員達が可哀相なくらい、メタメタになっていたこともありました。