BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

ジャケ買いを促進してくれる 少年合唱団CD

ジャケ買いを阻む?トレブル・ソリスト集」というブログ記事を書いてから、だいぶ間が空いてしまいましたが*1、今回は逆に強烈に「ジャケ買い」を誘引し、尚且つ、楽しさも満載のCDを紹介しようと思います。いずれも今年購入したものばかりなので、比較的新しいCDです。


「まあ綺麗!」「なんて可愛いの!」と、少年達のジャケットの魅力に負けて購入したCDで中身も良かったら、言う事ありません。そのCDへの愛は、2割増確実です。逆に中身が素晴らしいのに、地味な絵だったりすると、「誰がこんなの選んだの」と、手にする度に残念さもあったりして。


こういう音楽ファンって間違ってるのかもしれませんが、売れることってやっぱり大事なのになあ、と思ってしまうんですよね。単純に売れることで人気や知名度が上がったり、次の作品に繋がることもあるわけだし。そこのところ、作り手ってどう考えてるんでしょうね。いつも疑問に感じます。


Chrsitmas in Harvard Square/The Boys of St.Paul's Choir School

昨年の冬にAmazonを覗いていて、とても気になったCDです。ただ聖歌隊のメンバーが整列してるジャケット写真なのに、クリスマスっぽい緑の配色と赤の衣装というデザインが目を引きました。この手の魅力的な写真には、過去に痛い目をあってるので(実に退屈な合唱モノも多く)、かなり悩んで購入したのはだいぶ後になりました。


セント・ポールと聞くと、フランスやイギリスあたりの聖歌隊かと思ったのですが、実はアメリカの合唱団で、1963年に新設された音楽学校のようです。どことなく歌声に、突き抜けた明るさと、どっしりとした安定感を感じます。消え入るようなソプラノボイスではなく、柔らかいけれども弱々しくはなく、キラキラと響いてくるのが気持ち良い。


さて恐る恐るCDをかけてみたところ、たった一回でとても気に入りました。選曲自体は、イギリスあたりの聖歌隊が頻繁に発売しているような、オーソドックスなクリスマスの作品群です。なのに何かが違う?この胸が弾むような楽しさは何?若干、ソプラノが甲高くて元気なのがイギリス系にはあまりない特徴かもしれません。


コーラスのまとまりもありますが、曲のアレンジに工夫を加えていて、予定調和に終わらないところがとりわけ気に入りました。重低音バリバリで響くパイプオルガンに負けず、展開部がなんとも華やかに終わります。ソロもちょうど良い比率ですし、なんか趣きありますね。

Various: Christmas in Harvard

Various: Christmas in Harvard

とにかくクリスマス・アルバムらしい気持ちの良いサウンドでした。


Laudate Dominum/ヴィルテン少年合唱団

ジャケットに真っ赤な制服を着て笑顔の美少年が3人で写っていたことから気になっていた、ヴィルテン少年合唱団の「Laudate Dominum」を購入しました。目利きが確かな、我が親友Yちゃんの気になる一言「でも、気に入るかどうか分からないよ。かなり個性的だから。」も、余計に興味を引きました。


いやあ、変な、いえ超個性的(笑)な少年合唱団。でも、ちょっとクセになる面白さがあります。冒頭から平べったいソプラノソリストが唸るように歌ってる。まさに「ドイツ系のパリ木か?」と思うのほど、すごいベタベタなくどい感じの声。ソリストの耳に突き刺さり方が半端ない。


「どこか中東のほうの合唱団のアルバムじゃないよね?」「環境音楽か?」と思いながら聴いてると、中盤で泣けるような、「アヴェ・マリア」「ラウダーテ・ドミヌム」「ヒア・イスラエル」とタタミかけてきます。ソリストはなかなかの実力ですが、合唱は、上手い子とそうでもない子(?)が混じったヘタウマな感じ。


軽く調べてみると13世紀に創設され、オーストリア・チロル州インスブルックの少年合唱団として長い歴史を誇っている合唱団とのこと。たまたま録音を目にする機会が増えただけだったのですね。なんとウィーン少年合唱団のルーツである宮廷礼拝堂少年聖歌隊は、ヴィルテンの少年達を連れてきて作ったとか。目からウロコでした。


でも歌声だけ聴くと、歴史の長い少年合唱団とは思えないような「柔軟性」「異質感」を感じます。ダイナミックさ、というとカッコよすぎかもしれませんけど、古風さとは対極にある新しさを感じて非常に最近気になる合唱団ですね。たまにずっこけるくらい(笑)の、ヘタウマソロを聴かせる点でも気になる存在で、立て続けに何枚もアルバムを入手してしまいました。

Laudate Dominum

Laudate Dominum

目に飛び込む真っ赤なチロル服の制服に、「これでもか」と可愛いジャケット写真を披露するあざとさ、なかなかにクセになる面白さです。


Il etait une fois/パリ木の十字架少年合唱団

それなりに新作が出るとコンスタントに買い続けているのが、ウィーン少年合唱団と並ぶ、老舗のパリ木の十字架少年合唱団。来日公演は、だいぶ前から無くなって、韓国や中国へ渡航先を変えてますが、かつては2年に一度はクリスマス時期に来日コンサートを開いてくれてたので、古参ファンにはかなり懐かしい合唱団です。


歴史の古い合唱団ですが、多少新しい風も吹いているようで、このアルバムのジャケット写真を見たときは、飛び上がったやんちゃな少年達というアングルといい、「まるで妙にこじゃれてきた、最近のウィーン少年合唱団集合写真のようだわ・・・。」と思ったものです。


タイトルはフランス語で「昔むかし・・・」という意味のようですね。海外の民謡集を集めたもの?と思われるユニークな選曲。珍しい曲調が多く、冒頭の曲からワクワク感満載。ポップスやフォーク、カントリーミュージックを思わせる、どこか懐かしく親しみやすい曲ばかりで、とにかく文句なしに楽しい。


「一瞬、Poppys*2、はたまたVOX ANGELIか?」と思ってしまったくらい、謡曲タッチのサウンドにのせて楽しげな少年達の歌唱が続きます。パリ木の作品集の中でも一、二位を争うくらい惚れてしまったCDです。ソリストの歌声にもパリ木特有のズンとくる重さがなくて、なかなか聴きやすいです。


アルバム中盤に登場する「Salma Ya Salama」というエジプトの歌謡曲は、ウィーン少年合唱団あたりも歌っていたような気がします。世界的なヒットソングなのでしょうね。その中にカッチーニアヴェ・マリア」なんかも入っててやや違和感があるのですが、ヒーリング調で優しく歌っていてとてもいいです。


Il Etait Une Fois

Il Etait Une Fois

ライナーノーツには、過去のパリ木海外公演の写真も多用されているところを見ると、過去〜現在の歴史と「歌声で世界を巡る」的な意味合いのあるアルバムなのかもしれませんね。


天使のくれた奇跡/リベラ

そういえば今日は東京でリベラのコンサートの日だったんですね。ここ最近の(外国人観光客の増加に伴う)ホテル難に辟易して、クリスマスを東京で過ごす、なんて素敵な企画から遠のいております。しかし、クリスマスにリベラ、というのは、なかなかの贅沢ですね。初来日の頃とはメンバーも一新されて、海外のコンサート映像でソリストを知る、という感じです。


そんなリベラの最新作は、日本盤のみ発売の「天使のくれた奇跡」。恒例となった村松崇継さんとリベラのコラボ新作のタイトルでもあります。「彼方の光」「あなたがいるから」「生命の奇跡」に続き、4曲目の曲提供というだけあって、過去の作品にもどこかしら通じる、優しさと儚さ、泣きたくなるような切なさも含んでいます。


ただ「彼方の光」の完成度に比べると、今回の新曲はちょっと地味めで、初めて聴いた時は「え、新曲ってどれ?」と素通りしてしまったという・・・(汗)。


とはいえ、リベラの日本限定のミニ・アルバムって、正直あまり好きになれないんですよね〜。新曲1曲+焼き直し数曲という、実に低コストで売れ線狙いの商法がミエミエ。世界発売のアルバムに含めてもらうか、いっそシングル盤*3で発売して欲しいくらい。今回購入した理由は、ズバリ、ジャケ買い!です。


もはやどれがオリジナルアルバムか、企画モノか、ベストアルバムか、パッと見判断できないくらい売れっ子グループとなったリベラ。ちょっと惰性で買ってる部分も否めませんが、惰性ついでに12月発売予定だった写真集どうなった〜!?(と思ったら、今見つかりました。明日発売ですって。)


21日の「ミヤネ屋」に生出演していた・・・とな(汗)。こちらも見逃し、落ち込みました。最近、ホントだめだめな私。


天使のくれた奇跡(DVD付)

天使のくれた奇跡(DVD付)

やっぱり分かっちゃいるが、純白のローブと美少年には弱い。被写体も集合写真より単体のほうが強力にアピールするという見本ですね。

LIBERA Photo Book

LIBERA Photo Book

なんと128頁。値段も結構お高い・・・ですね。
■2015.12.26追記:本日、写真集が届きました。かなりゴージャスで重みがある本でしたが、USJでのフリータイム写真が多く、あまり今の団員を知らない私には「外国人の可愛い子供たち」という感じでした。あとはステージ裏のショットなど。


boysvoice-2.hatenablog.com

*1:なんとかクリスマス前にアップできて良かった!

*2:フランス'70年代に活躍した少年ポップグループ

*3:昔あった8インチシングルが懐かしいなあ