BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

ALOIS まさかの3作目

ALOIS

思わず「まさか」と驚いたのも無理はない。わずか1年足らずの間に、3枚目のソロアルバムが発売されてしまった、アロイス・ミュールバッヒャー(ALOIS Mühlbacher)君です。今月出たてホヤホヤ、湯気が立ってるような新譜です。一度は発売延期になったので、こりゃあ無理かな、と思いましたが無事聴くことができました。


このアルバムは、ジャケットで見る通り、ALOIS君の他に聖フローリアン少年合唱団のソリスト3人が参加しておりまして、ほとんどがデュエットとなっています。後半に2曲くらいソロがありますが、この点が非常に良かったです。ALOIS君は、テクニカルなソリストで、あまりにも上手なんですけど、連続して聴いてるとちょっと疲労を覚えるタイプなんです。


たとえればえらくゴージャスなデコレーションケーキを食べ続けていて、ちょっと胃もたれがしてきたところ、そんな時はお煎餅も食べたいし、お茶も飲みたいわ、てな具合(ホントか?)。そんなところに、純朴で素朴なフローリアンの少年達が、良い感じに中和してほぐしてくださる。聴き続けながら、たまにはリードソリストもALOIS君でないといいのだけど(おっとっと)・・・なんて思ってしまうほど。


そして、一際懐かしさを覚えてしまったのは、これがウィーン少年合唱団の『ソング・ブック』という'80年代初期に発売されたソロ・二重唱と7曲くらい同じ曲が出てきたからです。メンデルスゾーンの「秋の歌」とかホント大好きなんです。まさに往年のウィーン少年合唱団の息吹をまたもや感じさせてくれてます。


ウィーン少年合唱団のほうが、硬質なソプラノボイスでバランス的にもかなり似た声質で揃えておりますが、一方の聖フローリアンは、ALOISが際立って大人っぽいので、やや不釣り合いかな、と思います。それもチャーミングな個性だな、というレベルで、このアルバム、かなり気に入りました。それにしても、ALOIS君のこの重用はすごいですね。関係者の並々ならぬ意欲を感じます。


クリスマス・リート集 (Von Hirten und Engeln ~ Wagner, Wolf, etc. : Christmas / Alois Muhlbacher, Franz Farnberger) [輸入盤]

クリスマス・リート集 (Von Hirten und Engeln ~ Wagner, Wolf, etc. : Christmas / Alois Muhlbacher, Franz Farnberger) [輸入盤]

ラビットさん(コメント欄)に紹介していただきました。ALOISの最新盤です。
◆2013.2.9追記:発売がかなり遅れてようやく今日届きました。なんと27曲も入ってる!素朴なピアノ伴奏にのせて、小曲集です。耳馴染みのない曲も多く、新鮮。そして全く高音に濁りがなく、むしろ安定感もあって驚きました。これホントに変声目前?なんでしょうか。


Alois君(左上)と3人のソリスト達。ジャケットもいいですね、顔出しで。こうでなきゃ。美少年がいないところもまたよろし(笑)。


シューベルトの子守歌~ソング・ブック

シューベルトの子守歌~ソング・ブック

もうどのくらい聴き返したか分かりません。当時のウィーン少年合唱団には珍しいソロ・デュエットの小品集。幼いのにきっちり歌うソリストなど、個性的な歌声で構成されていました。'80年代のリバイバルCDは、お宝です。

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