BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

iTunes配信がもたらす、”その後”の少年達

つい最近、久しぶりにiTunesサイトで曲のダウンロードをしてみようと思い立ち、曲探しをしていたところ、ふと何気なく少年歌手の名を検索してみました。初回アルバムがちょっと例を見ないくらい出来の良かった、DECLAN GALBRAITH、そしてこれまた一曲で惚れさせられたJOEY PEARSONです。


この2人については、3年ほど前にこのブログで紹介していますが、偶然にも同じ年齢(今初めて気がつきました!が(笑))で、今もティーンエイジャーの歌手として日々成長し、マイペースでアルバムを発売しています。ところがどっこい、なかなか次のアルバムを入手できず、ちょっとひっかかっておりました。


もちろん、変声期を迎えてチラッと耳にした歌声には、かつての澄み切った”ハイトーン・ボイス”は、期待できないことは重々承知。それでも、この二人の歌声には、表現したいと願う熱い歌心が感じられて、やはり諦めきれませんでした。これでも最近は、変声期前期くらいまで(笑)は、耐えられるようになってきましたし。


幸運なことに、2人ともすでに購入していたアルバムの次作が配信されていました。「アルバムを購入」ボタンを押して、CD-Rに焼いたり・・・と、今では誰もがやってる手順を初めて試してみる気になりました。もちろん、圧縮された音楽ファイルですからCDに焼いたところで、音質は市販CDと比較になりません。


アルバム派の私でも、「手軽さ」以上に入手困難な*1貴重な録音を購入するツールとしてはかなり有効な手段だな、と実感しました。先日紹介したばかりのFrancis Bernierも配信されています。

【変声期を歌いこなす】


少年達は変声期を迎えると、どうしても鼻がつまったような通りの悪い声に変わってしまいます。その後も、1,2年の期間を経て重く低く変わっていくのですが、ちょうど変声前と変わりきった大人の声との過渡期には、”その不安定さに揺れ動く感受性をのせ、まだかろうじて出る高い裏声を響かせて歌うことができる時期”があります。


この時期に少年時代のテクニックを殺さずに、かといって力むと壊れてしまう微妙な声をコントロールしながら、歌い続けられる少年歌手達がいます。それは簡単なように見えて実は難しいのでしょう。信じられないくらい音がとれなくなってしまう少年や、声が伸びきらず下手になってしまう少年達が何人もおります。


この時期をどう乗り切るかで、人前で歌い続けていけるか否かの別れ目になる気がします。DECLANもJOEYも、変声後のアルバムからはこの難しい時期をすんなり乗り切ったように見えます。もっともこれから大人の歌手へと脱皮していくのは、どちらも簡単ではないでしょうね。それでも、やっぱり何か他の少年達とは、違う”本物”を感じさせる2人ですから、まだまだ頑張っていってくれそうです。

【Declan編】


DECLANのアルバム『THANK YOU』ほうは、15歳頃ということで変声期に差し掛かってはいても、まだまだ声の伸びやかさと情熱的な歌い方は、変わらずです。むしろ、体が出来てきた分、一段と凄みを増す歌の迫力と、艶やかなファルセット・ボイスへの切り返しが印象的。アルバムの半分以上は、変声期直前くらいの録音のようで、得した感あります。(最近は、だいぶ低音になってしまったようですが。)


オリジナル・ソングは、あまりないのか、どこかで聞いたことがあるような曲が多くて、少し残念だった気もしますが、ボーイ・ソプラノ版とはまた違う魅力の「TEARS IN HEAVEN」なんかがDECLAN調で面白い。「SAILLING」は、全くもって個人的にALED JONES版が世界一(笑)と思ってるのですが、DECLAN版も全く違ったイメージで攻めてきて、唸らせられました。


Thank You

Thank You

【Joey編】


対するJOEYは、前作『MIRROR IMAGE』があまりに好きだったので、心配したのですが、次作『AUTHENTIC』は、心もち軽めにまとめていたので安心しました。彼はR&Bというジャンルらしく、ポップスよりも過剰なコブシ回し(?)で、歌い上げています。その装飾が、不思議な快感に変わる瞬間があります。


最近は、まるで自宅でカラオケでも歌ってるかのように、プライベートタイムのようなラフな映像をYouTubeにアップするのが流行ってるのでしょうか。どこぞの出たがり兄ちゃんのような映像で、JOEYが歌ってるミニビデオが沢山出てきました。「えっ?これ本物?!」と何度首をかしげたことか(笑)。



Everything About You

Everything About You

Mirror Image

Mirror Image

個人的にかなり好きなアルバム『MIRROR IMAGE』も、配信されていますね。

*1:お手ごろ価格ではなかなか手に入れるのが難しいという意味で。