BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

第2期・THE CHOIRBOYSのクリスマス曲集

なかなかゴージャスなクリスマスアルバム

CHOIRBOYS

実は、11月の発売日にすでに購入して何度か聴いていたのですが、ブログにアップする時期が、かなりずれ込んでしまいました。今年のイチオシ!?クリスマスCDです。もっともボーイソプラノもので他に目立つアルバムがなかったこともありますが・・・。


実際、このCDは店舗でも、ややヒッソリと物陰に潜むように(笑)売られていました。*12年前に発売された、同じグループ名の「クワイヤーボーイズ THE CHOIRBOYS」とはメンバーを一新して、再び英国の3人の少年達で録音されているんですね。


初代さん達は、来日もしてTV出演やキャンペーンなんかもあったので割と宣伝されていたと思いますが、新メンバーのほうはそういった広報活動がないためか、地味なCD発売。ボーイソプラノの黄金週間であるクリスマスになんだかちょっと味気ないなあ、と思いながら聴いてみました。


ハッキリ言って想像以上に気に入りました。初代メンバーが奥ゆかしく儚げなカワイコちゃん(あくまでも声が、です(笑)。)だとしたら、第2期組は、野太くもなく、過剰に力が漲っているわけでもないのですが、正統派な響きの中に芯が1本通ったような生命力溢れる声です。


理知的で、明確な意思を伝えようとするかのようなシッカリと落ち着いた声。その非常にクリアな響きは、とても私好みでした。前回のアルバムでもアレンジはなかなか凝ってて良かったのですが*2、今回は3人の少年達の声質が溶け合って一つに聞こえる特性もあって、かなりよろしいです。


3人が皆、同程度の実力を持つソリストというのはそうないことだ、と思うので尚嬉しい。ソロも安心して楽しめます。選曲も良く巷で知られているクリスマス曲集から、イギリスのキャロルなら定番だけれど必ず聴きたい(「ディンドン、高らかに Ding Dong!Merrily on High」)曲まで収録されていて、さりげにツウ好み?も満足させる内容になってます。

ソリスト達】

ソリストは、アルバム写真左からウィリアム・ダットン(William Dutton 1995.1.20生)、アンドリュー・スウェイト(Andrew Swait 1994.10.2生)、ビル・ゴス(Bill Goss 1994.12.11生)の3人。ウィリアムとビルはHarrogate、アンドリューは、Gloucestershireという町の出身だそうです。私にとっては馴染みのない町名で一体どこよ、それ(笑)なんですけど。


彼らはそれぞれ別の聖歌隊に所属しており、それぞれソリストとして才能を認められていました。中でもウィリアムは、BBCラジオ主催で毎年恒例のボーイソプラノコンテスト「Young Chorister of the Year」の2006年最優秀ソリストに選ばれたそうで、ソリストとしてのキャリアもかなり積んでいる少年のようです。実はお父さん(Paul Dutton)も、その昔、ソロアルバムを出しているトレブル・ソリストでした!


アンドリューも、同年このコンテストに参加していますし、10歳の時にCD「Light of the World」を録音したり、TVニュースなどでも何度か紹介されてるようです。5歳の頃から音楽の才能を見せ始めていたとか。面白いのは6歳から中国語も学んでいる、ということ。どの程度の実力か分かりませんが、なんか想像つかないところが面白いですね。


ビルは、「ねじの回転」のマイルズ役などをこなし、the National Junior Choir Championships(全国少年合唱選手権、というところでしょうか)で2度優秀パフォーマンス賞を勝ち取ってるそうです。以上、少年合唱データベース(BCSD)からのわずかな受けうりでした(苦笑)。あまりに経歴が豊富なので、正直言って追い切れません。分かったことは、実はなかなかすごい子達ばかり集めてるなあ、ということです。


少年達もボーイソプラノの”短い命”を充分に自覚していたので、今回のアルバムへの参加をとても喜んでいたようです。「3人で声を合わせて歌った瞬間、美しく溶け合った歌声にとても興奮した」というコメントがありました。そんな感動と共に少年達の最も美しい声を瞬間パックしてるのだなあ、と当たり前なのに妙に胸が熱くなりました。


隠れた名品も素敵ですが、日本盤として売られているオーソドックスなCDの中にも輝くばかりの逸品がちゃんとある、ということを実感しました。希望は捨てちゃいけないのですね(笑)。



CDプロモーションのミニ映像ですが、素顔の少年達の生き生きとした表情も合わせて楽しめます。

◆公式サイト(英語):.: The Choirboys :. 
 → 映像盛りだくさんの公式サイトです。こんなページがあったのね。


オ・ホーリー・ナイト~クワイヤーボーイズのクリスマス

オ・ホーリー・ナイト~クワイヤーボーイズのクリスマス

オケや男声コーラスも少年達の声を邪魔していないのが嬉しいです。キラキラサウンドでどこまでも伸びやかの歌声です。


Light of the World

Light of the World

10歳当時のアンドリューが参加しているアルバム。聖歌隊服でサッカーする元気少年達のジャケットが斬新ですが、意外に内容はシックだった覚えが・・・。


Songs of Innocence

Songs of Innocence

アンドリューのソロアルバムです。ジャケットの地味さに聴くまで心配になりました(笑)が、なかなか味わい深い正統派のトレブルアルバムになっておりました。


boysvoice-2.hatenablog.com

*1:大きな店舗だったら違うかもしれませんが。

*2:→前回メンバーの優しい声には若干過剰な演出と思わなくも無かったですが。