ノリにノッテル、太一君を味わう
「ようやく」というか「早くも」と言ったほうがいいかもしれません。早乙女太一君の公演を見てきました。いまや全国区・アイドル並の人気の彼が全国縦断ツアーを敢行しているのです。おかげで”おらが町”で初対面となりました。
場所は、30年前から全く変わってない?と思われる地元の中ホール。定員1000人ということでこじんまり感はありますが、それでも「大衆演劇でこの規模なら、なかなか埋めるのも大変かも・・・」と不安に思っていたのですが、太一君の昇り竜の如き人気は侮れない。おばあちゃん達で満員御礼、熱気ムンムンとなりました。
第一部は人情モノの芝居。なんとも手作り感いっぱい(笑)の舞台セットの上で、まだまだ”若衆”*1という感じの劇団員に囲まれ、やや幼さの残る太一君が主人公で頑張ります。テレビでは、クールで口数の少ない印象ですが、舞台の上ではさすがに慣れたもの、台詞もなかなかキッチリとこなしてて「ほほう」と感心しました。殺陣も2度ほど披露。以前、痛めた腰は大丈夫かな?
渡世人という役どころは、「まだちょっと早いかな」というところですが、生き別れた実母探しの旅をしている、といういかにもな設定がなかなかハマってました。しかも、その”おっかさん”役は、彼の実母の奈々さん*2というのが小劇団らしくて面白い。この奈々さんもなかなかの美人&色気があって、実は太一君の次にファンになってしまいました(笑)。
【華麗なショーに酔う】
芝居のほうは、セット換えの時間があったもののあっという間に終わり、2部は太一君1番のウリである女形。『蒼伝説』という演目だそうですが、まるで宝塚のショーを思わせる(笑)派手な内容に、とてもウキウキ楽しんでしまいました。着物姿で踊りまくるのですが、音楽も意外とビートが効いてて現代的。
TV出演の時によく太一君も洋楽に合わせて舞ってますが、そんな和洋折衷のサウンドとピカピカに光る衣装、ライティングを組み合わせた活気のあるショーで、芝居の時のややショボイ(失礼)感じを払拭してくれます。太一君も3,4枚艶やかな着物を着替えながらシャラリと軽やかな身のこなしで舞い続けてくれました。
映像だけで見ていた頃に比べて、ナマの彼はやはり16歳のピチピチすべすべのお肌、頬も丸みがあって若々しく、(妖艶さも垣間見せますが)”伸びゆく若木”のイメージでした。客席にもたっぷり流し目と狙った微笑みを投げてくれて、その表情にイヤ味が無く、とても鮮やかなのです。
20代と思われる劇団員のお兄さん達も一緒に踊っているので、太一君と見比べてみるのですが、いくら白塗りの化粧をしていても「やはりモト(顔の輪郭や目鼻立ち)が違うんだなあ・・・」と当たり前のことに感心。太一君は、男でも女でもない別の生き物ですからねえ〜。
それにしても重い鬘や着物姿で軽やかな身のこなし。色っぽいうなじの吸引力も凄いし、腰周りがいい感じにキュッとしまっていて、見事なものです。何より自信を持って舞い演じている姿が良い。太一君が出てくる度に、場の空気も引き締まって密度が高まる感じ、これぞスターのオーラというやつでしょうか。
【イマドキの男の子に戻って】
一方、売り場コーナーでは、あでやかすぎる花魁姿の太一君グッズがいっぱい。巨大なタペストリーを買うかどうかで相当悩んだのですが、家の中に飾る場所で悩んでしまったので諦めました。でも、意味不明なキャラクター絵柄とかほとんどなくて、どこを向いても太一君の顔ばかりついたグッズ類に「これこそ基本!」と頷いておりました。
終演後は、入口付近で劇団員と太一君がお出迎え。ごったがえす人波に揉まれ、美しい太一君を間近で見てきましたが、前方のお客さんが「カッコイイ!」と声をかけると女姿のまま、笑顔でピースのサイン。「やはり現代っ子なんだなあ」と思いつつも、舞台との落差にちょっと愕然となり・・・。
外に出ると建物のすぐそばに止めてあったトラックが目に入りました。荷台は開放されてて、今にも衣装・小道具を詰め込んで次の巡業先へと慌しく旅立つ一座を暗示しています。寒空の下、明日はどこへ行くのやら・・・と思いを馳せつつも、太一君の公演は今後も見続けよう!と決意を新たにした(笑)1日でした。
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