BOY’S VOICE 新・永遠の少年たち

少年の声と少年文化に特化したブログです。

ウィーン少年合唱団のホーフブルク礼拝堂ミサ

礼拝堂ミサ体験記

ウィーン少年合唱団の紹介記事で必ず書かれていると言ってもいい、ホーフブルク王宮礼拝堂でのミサ。彼等の毎日曜の”お勤め”でもあります。私がウィーンでこの礼拝堂ミサに行ったのは、'90年2月頃だったと思います。子供の頃から憧れだったホーフブルク宮でのミサでしたが、実際にはあまり感慨を受けなかった・・・という苦い思い出があります。


それは当然のことながら、コンサートではなくミサという信者の方のため、のイベントだからです。信仰心のない日本人がウィーン少年合唱団を見たくて来ている、というのはかなり場違いな感じがありました。観光客も比較的少ない冬だったので想像と違いひっそり、寂しいなあ、という感じでした。


ホーフブルク王宮は、かつて有名なエリザベート王妃も住んでいたゆかりの地ですがそこからちょっと歩いたところに「スイス門」と呼ばれる茶系の門があり、その先に礼拝堂がありました。その地下には、王家のまばゆい王冠や装飾品を展示する宝物館があります。この一帯は、本当にこじんまりとしていてあまり目立たない一角です。


ガイドブックに従い、金曜日にチケットを買いに並びました。私がもらったのは小さなイエローのチケット(というか切符みたいでしたが)、他にピンクのチケットもありました。ピンクの方が特等席なのかなー?などとおぼろげに思ったり。ミサの当日、入場してみると席は2階の奥のほうでした。


吹き抜けの建物なので位置的にも向かって上手の端のほうで、ミサを執り行う司祭(司教?)が下にいたのですが、そちらはほとんど見えませんでしたし、体を伸ばしても3階で歌っている少年達の数名しか目に入らないような席でした。


3階の狭いスペースには指揮者やオーケストラも入っており、かなりギッシリ人が入っている気配。更に2階の区切られた一室となっている観覧席には正面にガラスも入っているので外がとても見えづらく、だんだん気合が抜けてきました。身をよじって見ているのも疲れてしまったですし。


前列にいる地元の人々は、司祭のありがたいお言葉に熱心に耳を傾け、見ている方向は私と全く反対側(苦笑)。なんとなくいたたまれない気分が・・・。ミサ自体に初参加だったので進行もよく分からず思い切り挙動不審だった私。合唱が説教の合間に入るのですが、初めて聴く曲ばかりで何がなんだか分からずでしたし、音響という面では教会での素晴らしいサウンドと比べてあまりにこもったような音色でまるでTVか何かを見てるような感じでした。


その後2度目のウィーン旅行ではあえてホーフブルクのミサは日程に入れず、コンサートにしてしまったのもこの時の思い出があまり良くなかったせいです。しかし、今となるとあのこじんまりとした空間がなんとなく懐かしい気がしますね。


(つづく)


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