五嶋龍君の本は、1日で一気に読めるほど簡潔ですが、とても面白かったです。生い立ちや、今考えていること、など確かにエッセイ集なのですが、いちいちためになるというか、新鮮な驚きがありました。
ヴァイオリンとの付き合い方も「ただの楽器ではなく、身体の一部」と言う龍君は、やはり音楽家独自の感性を滲み出してます。絶対音感を持つゆえの苦労(演奏の時、微妙な音階に合わせるのが大変とか)も、「言われてみればそうなんだぁ〜」と納得するのですが、凡人には想像がつかない世界。
子供の頃から、自由にノビノビと演奏する龍君をTVで見ていたので、物事に対してとてもポジティブで拘りが少ない少年なのだろう、と推察はしていたものの、逆に拘るところは拘るのですが、それを越えると本当に自由奔放な性格を覗かせてくれるので、実に爽快だったりします。
ヴァイオリニスト以外の夢や大好きな空手のこと、鉄道マニアぶりや理数系が大好き、などというくだりを読むと「若いっていいなあ・・・」なんて素直に感心してしまう自分がいますし。しかし、たかだか17歳でこれだけ自分のことや家族のこと、世界のことなどを考えているなんて自分の子供の頃には想像つかなかったので、やっぱり並じゃないなーと感心しきりです。
読み返して、龍君の生き方・考え方を参考にしたいな、なんて思いました。
- 作者: 五嶋龍,岡村啓嗣
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: 単行本
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