ビバ！アメリカン子役特集　（その１） - BOY’S VOICE　新・永遠の少年たち

リッキー・シュローダー

アメリカの名子役というと、真っ先に思い浮かべるのが『チャンプ』('79)のリッキー・シュローダーです。

中年ボクサーとその息子Ｔ・Ｊの熱い親子愛、「泣ける映画」の代名詞のようなこの映画、実はリバイバル作品なのですが*1、リッキー少年の名演技があまりに有名ですっかり本家扱いされてしまってます。

リッキーは、金髪に顔一面のそばかす、笑顔もたまらない魅力ですが、泣き顔と言ったらまるで、この世の不幸が全てこの少年に襲い掛かってきたのではないか、と思わせるほど。リッキーこそ子役らしい子役だったと思います。

リッキーの主演作としては、『アドベンチャー・ロード』（突然の事故で両親を失い、大自然の中に放り出された一人の少年の物語、だったと思います。）と『リトルプリンス』('81)*2という映画が印象的ですが、どちらも廃盤になったようで残念です。

特に『リトルプリンス』は、小公子セドリックを演じるリッキーが金髪のおかっぱ頭で、黒ビロードの服をまとい、なかなかの美少年ぶり。頑なな老伯爵（祖父）の心をときほぐしてゆく様がなかなか素敵に描かれていたので、DVDで復刻にならないか、と密かに願っています。

そういえばプエルトリコ人のアイドル、メヌードの特集号にリッキーとの記念撮影写真がありました。当時、メヌードには、リッキー・マーティンが最年少で属していて、丁度同じくらいの年齢のリッキーと一緒に写っていたのですが、プリティボーイが揃っていてオイシイ写真でした（笑）。

ほぼ同時期、『クレイマークレイマー』('81)という父子愛を描いた作品も大ヒットします。ここで子役として活躍していたのがジャスティン・ヘンリー。どちらかというと、彼は”普通の子”でどこまでが演技か分からないようなごく自然体の演技をしてました。

それが逆に好印象だったのかもしれませんが、最後の見せ場でグッと泣かせてくれます。アメリカの一般家庭ってこんな感じなのかな？と当時、思いを馳せてましたし、この映画で日本でもフレンチ・トーストが有名になる、というオマケ付きでしたね。

ただしその後、子役としての作品はイマイチ恵まれなかったようです。リッキーとジャスティンは、どちらもオスカー助演男優賞のノミネートに入りましたし、ライバル意識も若干あったのか、とある場で殴り合いの大喧嘩をしてた、なんてウワサ記事もありましたね。

彼等のしばらく後、『刑事ジョン・ブック目撃者 [DVD]』('85）で人気子役になったルーカス・ハースも忘れられません。まるでハムスターとか小動物系の顔立ちで、目元と鼻筋が特徴的な本当に可愛い子役でした。アーミッシュの生態などもこの映画で知ることができて、非常に印象に残りました。

彼の得意技？は、その大きな瞳で、不安そうにどこか一点を見詰める様です。笑うシーンが比較的少なく、いつも何かに怯えているような表情を強く覚えてます。

ヒット作ではありませんが、『汚れなき瞳の中に』('88)は、個人的に忘れられない作品でした。どこか『シックスセンス』に似たムードで、ちょっぴり怖いけど最後は意外な事実が判明して・・・という作風です。

『ランブリング・ローズ』('91)ともなるとルーカス君も随分と身長が伸びていきますが、顔立ちはほとんど変わらずそのまま、でした。なんとなく、オトナの俳優となった彼は、他の子役以上に見るのに抵抗があり、その後はほとんど見てません（ごめんね）。

'80年代を子役として過ごした彼等も、現在も地道に俳優活動をしているようです。また、縁があったら、驚きの出会いをしてみたいですね。最近では、『サイン』('02)で登場したホアキン・フェニックス*3が『スペースキャンプ [DVD] 』('86)の子役だと気付いてかなり驚きました。

*1:私も本で知ったので、他の映画は見てはおりません

*2:映画を見に行ったら前日で打ち切りになり、『ねらわれた学園』を見る羽目になった・・・という思い出があります。

*3:少年時代は、リーフ・フェニックスと名乗ってました。リバー・フェニックスの弟です。