”美少年”と言えば、必ず名前が挙がるのが映画『ベニスに死す [DVD]』のタッジオ役で世に衝撃を与えたビョルン・アンドレセン。私は彼を知ったのがリアルタイムではなかった上、その後に雑誌などの”美少年特集”であまりにもメインで紹介されるので、少し食傷気味でした。
確かに、少女漫画から抜け出たような、その姿態。上品そうで妖しくて一目見ただけで気になるのは間違いないと思います。それでも、私の中の美少年像とはかなりかけ離れていたので(彼はどちらかというと美少女に近い顔立ち、しかも少年というより青年では・・・?)あまり魅力は感じなかったです。単に天邪鬼なのかもしれませんが。
映画『ベニスに死す』も実際に映画館でリバイバル上映で見た時、『地獄に堕ちた勇者ども』と二本だて、といういうすごいカップリングのため、あまりの毒々しさに見終わって吐きそうになりました(苦笑)。それでもヴィスコンティ監督の作品は、やはり退廃とか耽美をリアルに見せてくれるな、とは思いました。
貴族社会に造詣が深いせいなんでしょう、日本人が描く幻想的な”耽美”の甘ったるさなどなく、どこか皮肉も感じたりして。
(つづく)